第1位:火花
さて、2015年ヒット番付第1位にランク付けしたのは、今年書籍で1番のベストセラーとなった『火花』。『火花』は、お笑い芸人の又吉直樹氏が執筆した純文学ということで出版当初からかなりの話題となりましたが、7月に芥川賞を受賞するとさらに露出が加速。芥川賞受賞後は、売り切れの書店が続出するなど一大フィーバーを巻き起こしました。
これまでの出版部数は単行本で239万部に達し、芥川賞受賞作品では初めて単行本で200万部を超えて歴代1位に輝きました。また、様々な経済効果の試算で知られる関西大学の宮本勝浩名誉教授によれば、『火花』の経済効果は105億1,322万円に上るとのこと。2016年には世界最大の会員数を誇る動画配信サービス企業であるNetflixで映像化も予定されており、さらに文庫本が出版されればまだまだヒットを続けることは間違いないでしょう。
2015年ヒット番付を振り返って……
さて、2015年のヒット番付を振り返って今年のヒット商品の大きなトレンドとして「新しいものを待ちわびた期待感」を強く感じました。通常、ヒット商品は突然生み出される場合も多いですが、今年のヒット商品の傾向としては10年振りに公開されたスターウォーズの新エピソードや6ヶ月振りに販売されたペヤングソース焼きそば、2年振りに『半沢直樹』をヒットさせた制作スタッフが再結集して作り上げた『下町ロケット』、3年振りにメジャーバージョンアップしたWindows、そして出版不況が叫ばれる中、出版業界の新たな救世主として現れた又吉直樹氏の『火花』など、顧客、もしくは業界が待ちわびていたところに、期待に応えるものが現れてヒットにつながっていったのです。
2015年も様々な商品がヒットしましたが、果たして2016年はどのような商品がヒットするのでしょうか?
新しい年の幕開けを期待しながら待ちましょう。