・向附
向附
「割り山椒」の器に盛られて登場した向附は「大間のマグロ」と「京都の平目」の2種に、サヤエンドウと海苔という内容。ツマの「大根の茎」も食べるのがもったいないと感じるほどに美しい細工が施されています。
・八寸
八寸
そして横長に盛られた冬の八寸がこれまた素晴らしい! 「雪覆い」や「紅葉」などを巧みに配置し、まるで日本の原風景をジオラマ化したような美しさがあります。そして一つ一つの料理から伝わってくる精度の高さは、料理長の神経の張り具合がもたらす丁寧な仕事、そしてセンスの良さがあればこそでしょう。まさに一流職人の技の極みですね。
「雪覆い」などもあり、ジオラマのような美麗な八寸です。
八寸の内容は、上写真奥にある「雪覆い」の中に「宮崎牛のローストビーフ」、続いて「鰆の焼き物」、「海鼠の酢の物」、「銀杏の白和え」、「セリとうす揚げのお浸し」、そして12月ということで「チーズを混ぜた焼き海老芋」というバラエティに富んだ超充実のラインナップ。
特に皮目の輝く色合いも美しい「鰆の焼き物」のしっとりとした食感と、「宮崎牛のローストビーフ」の柔らかで旨味のある味わいは特筆物でした。
・鰤大根
鰤大根
続いては「鰤大根」が登場。一般的な「鰤大根」とは違い、大根が霙状になっており、そのおかげで鰤と大根を一緒に絡めながら食べられるのです。ネギ、大根、鰤の渾然一体感は今まで食べたことのない新しい発見でした。
・飯物
蕪ご飯
そして飯物は、珍しい「蕪ご飯」! 前田さんも「初めて作りました」とのことで、これまた新しい美味しさに出会いました。
根菜は冬の御馳走です
蕪の瑞々しさと上品な甘味、青い香りが実に白御飯に合うのです。蕪は葉ごと入っており、見た目の色合いも華やか。
香の物。他に「赤出汁」も付いてきます。
さらに(嬉しい意味で)驚いたのが、「香の物」の中に「肉」が入っていること! 山形牛の焼き物で、自家製のタレまで別添えされているというこだわりっぷり。旨味抜群のお肉効果で御飯がさらにすすみます。
・水物
水物
水物は「リンゴのコンポート」。リンゴの下には特製カスタードが敷いてあり、リンゴの上には柿と、周りにはザクロが散りばめられています。
うつくしき料理の数々
日本酒も銘酒が揃っていました。
修業先「桜田」の桜田五十鈴さんは多くの弟子を育てられ、その遺伝子はこれまでにも数々の人気店に受け継がれています。長年その師匠の元で、とにもかくにも「うつくしいもの」を作るようにと薫陶を受けられた前田さん。桜田伝統の見栄えも味も「うつくしい」料理を絶やさず、そのうえでご自分の遊び心も加えた料理を目指して、まさに翔び立たれたばかりですが、その評判は舌の肥えた全国の客にはや知られつつあるようです。
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・店名: 弧玖(こきゅう)
・所在地:京都市上京区青龍町204
・アクセス:京阪電鉄「出町柳駅」徒歩約5分
・地図:
Yahoo!地図
・TEL:075-746-4375
・営業時間:11:30~13:30(L.O)、17:30~19:30(L.O)
・定休日:不定休