ボーナスをもらって辞めるのは許される?
会社を辞めるのであれば「ボーナスを貰ってから辞めよう」と思う一方、「なんとなく罪悪感がある」という人もいます。ボーナス(賞与)は、賞めて与えると書くので、会社や上司の期待に反して、お金だけ貰って転職するのは、なんとなく後ろめたいものです。しかしボーナスは、一定の査定期間(評価対象期間)の働きぶりや業績が評価されて支給されるもの。つまり過去の働き(頑張り)に対する後払い賃金のようなものなので、貰うことに躊躇する必要はありません。
なお、ボーナスはボーナスの支給日に会社に在籍していないと貰えないのが通常です。支給日在籍要件といって、就業規則の「賞与」の項目に書かれてあるのが一般的です。確認してみてください。
ボーナスをもらうために仕事を辞めるタイミングは慎重に判断しよう
ボーナスを貰って退職するなら、退職日は賞与支給日の後となります。では退職の申し出は何時がいいでしょうか?あまり早く退職を申し出ると、ボーナスの査定に影響します。また個人別の査定が終わっていたとしても、退職者については不利益な取り扱いがなされる可能性があるので、注意が必要です。中小企業など賞与が明確に制度化されていない会社であれば、最悪、ボーナスが不支給になることもあり得ます。
一方、会社の就業規則には「退職は1ヶ月以上前に申し出ること」などと書かれているはずなので、退職日の直前になって「辞めます」と伝えることはあまり適切ではありません。(ただし、就業規則の規定に関わらず、従業員は辞める2週間前に申し出ればよいことになっています。民法627条)
冬のボーナスであれば、通常12月上旬から中旬頃に支給されるので、退職の申し出は12月の中旬以降になります。引き継ぎや年休消化などをきちんと済ませて退職するなら、実際の退職日は1月中旬以降になるでしょう。
ボーナスをもらって辞めるために転職活動とのバランスにも注意
会社を辞める前に転職活動を行いますがが、冬のボーナスを貰って退職しようとすると、ある程度は転職活動を犠牲にしないといけないかもしれません。なぜかというと、企業の求人数は10月をピークに下がりだし、12月、1月は求人数の底となります。またボーナスを貰ってから退職する人が多いせいか、1月は求職者数も増えます。そうすると求人数が少なく、ライバルである求職者が多い12月から1月に再就職活動を行うことになり、結構大変です。もちろん10月や11月に転職活動をして、早々と転職先を確保しておくという方法もありますが、転職先への入社を先延ばしにすることは、転職先でのイメージ悪化を招きます。慣れた人事担当者であれば、「前の会社でボーナスを貰ってから、うちに来ようとしているな」とピンと来ます。
転職先の事情が許す範囲で、入社を先延ばしすることが可能である場合でも、先延ばしする正当な理由(現在担当しているプロジェクトが終了してから転職するなど)を考えておかなければなりません。
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