新入社員を迎える職場の心がけ、3つのポイント

新入社員のリアリティショックを緩和する

新入社員のリアリティショックを緩和する

新入社員の職場配属を心待ちにしている上司や先輩の中には、何となく不安な気持ちになっている方もいることでしょう。新入社員を迎え入れる職場で心がけたいことの1つ目は、新入社員のリアリティショックの緩和です。リアリティショックとは、新入社員が入社前後に受ける、期待と現実のギャップによる衝撃のことです。企業組織のルールや価値観は、学生時代と大きく異なります。傷つきやすい新入社員の受けるショックを、少しでも緩和したいものです。

リアリティショックを緩和できれば、次は仕事にコミットする習慣を身につけさせましょう。仕事と成果にコミットし、ビジネスパーソンとしてのキャパシティ(対応能力)を広げさせることが2つ目です。ビジネスパーソンとしての意識は、最初に配属された職場(初職)の影響を強く受けると言われています。何事も最初が肝心です。
3つ目は、対話による価値観の共有です。学生としての価値観と社会人としての価値観は異なります。価値観の転換がうまくいかない新入社員は、その後も職場不適合を引き起こし、最終的には離職します。企業風土や職場風土になじめず離職することは、ある程度仕方がないことですが、社会人としての価値観に転換できず、未熟な状態のまま離職することはもったいない話です。

まずは、リアリティショックを緩和しよう

日本生産性本部が毎年、新入社員のタイプを発表しています。平成27年度の新入社員は「消せるボールペン型」ということです。消せるボールペンは、一見ありきたりなボールペンですが、柔軟に書き直しができるという優れた機能を持っています。今年の新入社員は、見た目は従来の新人と変わりませんが、自分の考えに固執せず、変化に柔軟に対応できる素直さを持っているということなのでしょう。

しかし消せるボールペンは、消しゴムのように書いた文字を消せるわけではありません。文字自体は残っており、インクを摩擦熱で透明にするだけだそうです。そうすると今年の新入社員は、上司の熱い指導や職場の同僚との軋轢によって、色(個人としての特徴)を失ってしまう弱さを併せ持っているのかもしれません。一見、無色透明になり職場に順応しているように見えても、どこかで自分自身の価値観や判断基軸は残している最近の若者気質の特色を、今年の新入社員も持ち合わせているのでしょう。

素直だけれど打たれ弱い、周囲に配慮しうまく順応できるが、心のどこかに組織に対する違和感を持ち続けている。すべての新入社員がそうだとは限らず、ステレオタイプ的に新入社員像を語ることは適切ではありませんが、そんなタイプの新入社員が増えているような気がします。

新入社員のリアリティショックを緩和するには、入社前から企業組織で行われている現実の仕事を見せて、期待と現実のギャップを小さくしておくことがポイントです。加えて配属後も、職場内のいくつかの仕事をトライアル的に体験させて、職場の仕事の全体像を把握させてから、担当の業務に就かせるとよいでしょう。自分が担当する業務の前後の仕事を知ることで、自身の担当業務の役割や意味づけを立体的に理解することができ、仕事から受けるショックを緩和できます。

「こんなはずではなかった」というショックは、やりがいのある仕事から受ける満足によって打ち消すことが可能です。職場の上司や先輩は、職場の業務上のミッションや企業における自職場の役割の重要性を、耳にタコができるほど何度も新入社員に言い聞かせるようにしてください。

また、新入社員への声かけや、昼食会・飲み会への誘い、仕事面での積極的なサポートもリアリティショックを緩和します。自分はこの職場で歓迎されているのだという感覚を持つことで、ポジティブな気分となり前向きに考えられるようになります。

新入社員への対応で一番不適切なことは、新入社員を放置し孤立させることです。新入社員といえども大人なのだから、分からないことがあれば聞いて来るだろうという考え方は通用しません。表面上は組織に順応し、何の問題も抱えていないような新入社員が、ある日突然、診断書を提出して休職に入ってしまうことが多くの組織で発生しています。様子を見ながら、少しずつ社会人生活、職場環境に順応できるようサポートしていくとよいでしょう。