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最初が肝心!新卒会社員におくる給料の扱い方のコツ

新入社員にとって一年目のお給料の使いかたは、これから続く給与生活の最初の一歩。前年の所得がない新入社員は、住民税を払わなくてもいいので自由に使えるお金は、一番多いのです。 よく考えて使わないと大変なことになりますよ。

福一 由紀

執筆者:福一 由紀

ファイナンシャルプランナー / 仕事・給与ガイド

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新入社員が初任給をもらったらどうする?

新社会人にとって一番楽しみな初任給。あれもこれもと使いたい気持ちはわかるけれど……

新社会人にとって一番楽しみな初任給。あれもこれもと使いたい気持ちはわかるけれど……

社会人になって一番嬉しいのは「お給料」をもらう時。はじめて手にする社会人としての勲章のようなものですね。

と同時に、これから長期間にわたる会社員生活の第一歩。一年目のお給料の使いかたを間違えると、大変なことになりますよ。

社会人だから…の買い物の落とし穴

社会人になると、スーツや靴、鞄、名刺入れや手帳などが必要になる場合もでてきます。これらを買い揃えて社会人になった気分を満喫している姿もちらほら。 でも、ちょっと待ってください!

社会人だから、いいモノを持って当然……なんて考えて、ブランド物の小物を買ってしまうと大変なことになりますよ。初任給の手取り額なんてあっという間に使いきってしいます。 これから続く給与生活、もう少しよく考えてお金の使いかたを考えましょう。

新入社員の今、使えるお金が一番多い!

これから昇給もするだろうから、自由に使えるお金がどんどん増えていくだろう……なんて考えていてはいけません。 自由に使えるお金は、入社1年目が一番多いのです。

その理由は「住民税」。住民税は前年の所得に対して課せられる税金です。前年の所得がない新入社員は、住民税を払わなくてもいいのです(アルバイトなどで所得があった人は住民税も課税されます)。

社会人2年目からは住民税が天引きされるわけですから、手取り額も減りますよ。住民税の税率は10%。この税負担は重いですよ。

年齢があがるにつれ、おつきあいが増えたり、キャリアアップのための自己投資などにお金がかかることも。結婚するとなると、更に出費が増えていきますね。ということは、入社直後が一番自由になるお金が多いということです。給与明細を手にして、意外とたくさん使える……と思っていても、その時だけですよ。

支出は減らない法則

支出のほうも見ておきましょう。これは、社会人に限った話ではありませんが、支出はなかなか減りません。というのも、一度利用したサービスや買ったモノ、食べた料理は忘れられないからです。次も同じか1クラス上を求めてしまうでしょう。となると、それらに対する対価も右肩あがりに増えていくということです。

これが「支出は減らない法則」です。何も考えずに自然に生活していると、支出は減ることはありません。ですので、新生活の生活レベルをコントロールしないと、大変なことになりますよ。新社会人にとって、お給料をどのように使うか、最初の数か月の生活費、お小遣いをどれくらいに抑えられるかが、その後の支出を決める大きなカギとなります。

自由に使えるお金は減っていくし、支出も増えていく……となると、お給料をもらったからといって買い物三昧をしていてはいけないということがわかりました。では、具体的にどのようにしていけばいいのでしょうか?

「自由に使えるお金=手取りー貯蓄」で

まず貯蓄、残ったお金で生活…という習慣を新入社員から身につけたい

まず貯蓄、残ったお金で生活…という習慣を新入社員から身につけたい

お金で困らない社会人生活をするためには、一年目の給料をどのように使うかが大きなカギです。何事も初めが肝心。まずは、銀行に振り込まれた額が「使えるお金」だと勘違いしないように。

次の年にはその手取り額は減っていくでしょうし、支出も増えていくはず。入ったお金を全て使っていると、次の年から赤字転落になってしまいます。

まずは自由に使えるお金を制限しましょう。それには、給与天引きで貯蓄をすることです。天引き後の残りが毎月の生活費、お小遣いということ。余ったら貯蓄ではなく「先取り貯蓄」。貯蓄の残りで生活です。

最低でも2割は貯蓄を

では、給与天引きにする金額はどれくらいが適当なのでしょうか? 「生活費は収入の何割かけてよい?」の記事でも紹介したように、ファミリーDINKS層で貯蓄目標は手取りの2割でした。新社会人も手取りの2割は貯蓄にまわしたいものです。

中でも、親と同居しており住居費がかからない人は、貯蓄割合は3割以上に増やしたいですね。住居費がいらない分は貯蓄を上乗せしましょう。

初任給の手取り額を15万円とすると、目標貯蓄額は3万円。住居費が必要でない人は5万円を目標に天引き貯蓄をしましょう。

ボーナスは半分以上貯蓄に

ボーナスの使い道もしっかりと管理をしなくてはいけません。思わず高額なお金が振り込まれたからといって、有頂天になっていてはいけません。

基本的にはボーナスは貯蓄にと考えましょう。旅行や大きな買い物など少しは使いたいかとは思いますが、計画的に貯蓄を優先することを忘れずに、

財形貯蓄、個人型確定拠出年金など引き出しにくい貯蓄も

貯蓄も数種類にわけてすることが大切です。貯蓄をしてもすぐに引き出して使ってしまうようではいけません。貯蓄の多くは、できるだけ引き出しにくいところに預けるのがポイント。

会社で財形貯蓄制度が導入されていれば財形貯蓄を利用するとよいでしょう。また、老後のためのお金も考えておきたいところ。個人型確定拠出年金(iDeCo)の制度を利用すれば、税金の優遇を受けながら老後資金を貯めることが可能です。老後まで時間がある分、少額の積立てで資産形成をすることが可能。検討してみてはいかがでしょうか。

カード払いには注意して

このように天引き貯蓄を始めても、うまくお金が貯まっていかないケースが多くあります。それは「クレジットカード」。現金での買い物ではないので、ついつい使ってしまいます。自由になるお金が少々足りなくても、来月分のお給料で払えばいいわ……なんて考えてしまいがち。

この支払いを来月にという考えでカードを使いはじめると、永遠に次の月に支払いをおしつけるということ。これは、自由になるお金をコントロールしていないことになりますし、いつかは支払いが使えるお金を超えてしまうという危険性があります。

カードはポイントやマイルがたまり利用価値は多いにありますが、あくまでも現金で支払っているつもりで、その月のやりくりの中でおさめるのが鉄則です。

リボ払い、キャッシングは厳禁

最後に、クレジットカードの「リボ払い」や「キャッシング」はやめましょう。 リボ払いは、毎月一定金額の支払いでいいので、支出をおさえた気分になります。が、これは大間違いですよ。利息もとられていますし、支払いの終わりがわかりません。リボ払いで借り続けると、永遠に支払いが終わらないこともあります。

月々の出て行くお金を抑えたいがためにリボ払いを選択するのは大間違いです。 支払いを抑えるのではなく、使うお金を抑えましょう。

また、キャッシングも厳禁です。これは完全に借金です。来月のお給料で返済するつもりでも、返済ができなくなると、利息分だけでもかなりの負担になります。来月のお給料をアテにするようになったら、終わりですね。その月の「使えるお金」の範囲で生活をする習慣をつけてください。

何事も最初が肝心。これから40年以上続くであろう給与生活。社会人1年目での使いかたがうまくいけば、次の月、次の年とスムーズにお金がまわっていくことでしょう。

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