起業・会社設立のノウハウ/起業・独立資金を得る

来年の創業補助金に向けて準備しておきたいこと

経済産業省から概算要求が発表され、来年度も創業補助金の募集が行われる見込みとなりました。例年3月くらいに募集開始となる創業補助金。募集期間が短く準備が間に合わないケースが続出しています。そこで、今から準備しておくべきことをまとめました。近い将来、起業しようと考えている人、必見です。

中野 裕哲

執筆者:中野 裕哲

起業・独立のノウハウガイド

創業補助金を確実に受給するために

先日、経済産業省の平成28年度予算の概算要求が発表されました。順調に行けば、来年度も創業補助金が行われる見込みです。今回、創業補助金の予算は19億円と前回から倍増しています。成長戦略を実現するために、起業促進を重点課題にして取り組もうという国の姿勢がうかがえます。また、これ以外にも政権の経済対策として平成27年度補正予算でも創業補助金が出てくる可能性が大です。

例年、創業補助金の募集は3月くらいから。まだ先の話のように感じるかもしれませんが、準備を考えるとそうでもありません。あっという間に募集が始まり、準備が間に合わなかったというのがありがちな失敗事例。そうならないように、早めに準備をはじめましょう。創業補助金を確実に受給するために今からできること、やっておくべきことをまとめておきました。

そもそも創業補助金とはどんなもの?

創業補助金を受給できれば、リスクを減らし有利な状況下で起業できる

創業補助金を受給できれば、リスクを減らし有利な状況下で起業できる

まずは、創業補助金とは何か、おさらいをしておきましょう。
※制度が大幅に変更されることがないことを前提に、過去の募集要項をもとに基本的な傾向をまとめます。

■制度の概要・補助金額
創業補助金とは、起業家を増やし欧米並の開業率を目指すために、国が創業にかかる費用の一部を補助する制度です。原則的に返済不要で、以下の金額の補助金が国から支給されるものです。

・これから創業する人
最高200万円
・第二創業(既存の事業をやめ代表者が新たな事業を始めるケース)
最高1,000万円
・海外に積極的に進出していく起業家
最高700万円

ただし、年により制度が変わるため、どんな人がいくら補助されるのかは変遷していきています。今回も変わる可能性があるため、あくまで参考としてご覧ください。

■後払い方式
どの補助金にも共通していますが、補助金は使ったお金に対して後からお金が補助される後払い方式です。まずは対象となる経費を使っていき、補助金事務局によるお金の使い方の審査を通過したものが補助対象となります。先に「お金をあげるから使ってください」という性質のものではないため、ご注意ください。つまり、最初に使っていくお金については、自己資金あるいは創業融資などで調達する必要があります。このため、創業補助金の受給を目指す場合は、創業融資の申込みと同時に進めるのがセオリーです。

■補助率
補助率とは使った経費のうち、何割を補助するかです。補助金により違いはありますが、過去の創業補助金の例では2/3の補助率。例えば、300万円の対象経費を使った場合、後から国が200万円を補助してくれるといった具合です。

■審査がある
創業補助金は全員がもらえるものではありません。創業補助金の支給を受けるためには、まずは事前に書類を準備し、応募期間内に応募する必要があります。さらんは、事務局による審査にパスしたもののみが採択され、補助金を受ける権利を得ます。合格率(採択率と言います)は、過去の例では、3割から8割程度。年により、また募集回により差があるため、運にも左右されます。

■認定支援機関のサポートが必要
認定支援機関とは国が認定した中小企業の支援機関。税務、金融などの専門知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の金融機関や税理士などが認定されており、現在、全国で約24,000機関が認定を受けています。

創業補助金の応募には認定支援機関の支援を受けることが応募の必須要件となっています。応募締め切り間際に認定支援機関に相談しても、支援のキャパシティの問題で受け付けてもらえない場合もあるため、早めに相談しておくことをお勧めします。

  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます