いよいよ本題 「酵素ドリンク」について
酵素ドリンクの広告は、期待を大きくさせますが…
体に取り込まれる前段階で働く「消化酵素」については、例外です。消化酵素を含む野菜・果物やお薬を、食事と一緒に摂ることで消化を助けてくれます。ただ、これも、「酵素が節約される」というより、消化が進むので胃もたれが解消されるといった効果です。
次に、最近ブームになっている「酵素ドリンク」は、色々な植物を発酵させたものがほとんどです。この「発酵」というプロセスは、植物に含まれる酵素が直接作用するのではありません。酵母などの微生物が体内で酵素を作り、取り込んだ栄養素を代謝することで発酵が進むのです。
ですから、広告で見かける「植物の酵素がたっぷり!」というのは誤解を生む表現です。どちらかというと「酵母の酵素たっぷり」の方が現実に近いかもしれません。
さらに、市販の製品に関しては、清涼飲料水として商品を製造する際のルールとして、「加熱殺菌」が必要です。ですから、この加熱によって酵母や酵素のタンパク質は固くなり、酵素としての能力は失われているはずです。
「酵素ドリンク」については、名前によって誤解を生んでいるのですが、酵素といわず「発酵エキス」というほうが的確かもしれません。
このように「酵素」としては直接の効果が見込めない酵素ドリンクや酵素サプリ。本当に全く役に立たないものなのでしょうか?
次ページでは「酵素ドリンクに期待できる効果」について説明します。