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平成27年保育士試験 実技試験のポイント―実技(14)

平成27年の保育士試験の実技について、これまでの出題と比較しながらポイントを解説します。音楽表現と造形表現は年を追うごとに少しずつ難易度が上がっている印象です。言語表現は出題のねらい(=採点のポイント)が明確になってきました。

ながみね あき

執筆者:ながみね あき

保育士試験ガイド

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保育士になった自分を思い浮かべてみましょう!

平成27年の保育士試験・実技について、これまでの出題と比較しながらポイントを解説します。まず今年の特徴を一言でまとめるとこのように言えるかと思います。
  • コードチェンジが頻繁にあり例年より少し難しい音楽表現
  • 同じ出題が続き、難易度が上がってきた造形表現
  • 出題のねらいが より明確になった言語表現
それでは、科目別に詳しく見ていきましょう。


音楽表現に関する技術

今年の課題曲についてのポイントを解説します。

■海
3拍子の曲です。寄せては返す穏やかな波を表現できたら素敵ですね。わたしたち日本人は4拍子が基本のリズムとして体に馴染んでいますので、3拍子のノリはあまり得意ではない人が多いです。ぎこちない感じにならないように、まずは歌をスムーズに余裕をもって歌えるよう、何度も繰り返し練習しましょう。

■ちびっか・ぶーん
例年の課題曲と比較すると知名度の低い曲で、全く知らない状態から練習を始める受験者が多いのではないでしょうか。まず、原曲を繰り返し聴き、一緒に歌うなどしてしっかりと歌えるようになりましょう。ピアノのほうは、コードチェンジが頻繁にあるので伴奏はあまり難しいものにせず、易しめの編曲で確実に弾けるようにしましょう。

保育の音楽表現では、正確な『歌詞』『音程』『リズム』はもちろん大切ですが、より大切なのは『表現力』です。こどもたちは、正確な技術を喜ぶのではなく、保育園の先生が笑顔で楽しく歌ってくれることを期待しているのです。苦手意識を表情に出さず、笑顔で朗らかに演奏することを目標にしましょう!

【参考】音楽表現に関するこれまでの記事
保育士試験 実技(2) 音楽—教室と楽器えらび
保育士試験 実技(5) 音楽―伴奏の正しい選び方
保育士試験 実技(8) 音楽―試験本番の流れ


造形表現に関する技術

今年の出題文は「保育の一場面を絵画で表現する」となっています。昨年までは「保育所での子どもたちと保育士との活動の一場面を描く」という出題文でしたが、要点は同じだと思われます。
過去の課題を振り返ると、難易度が徐々に上がっている印象を受けます。

平成23年
「劇発表」の準備や練習でのやりとりの一場面
平成24年
「お昼寝」の準備をしている一場面
平成25年
A君とBちゃんがおもちゃの取り合いになり、保育士が来て2人の話を聴き、このあと2人が仲直りする場面
平成26年
保育所の4歳児が保育士と公園へお散歩に行く途中の歩いている様子。「手をつないで」「うれしそうに」「どこを歩いているのかわかるように背景を表現する」

保育の一場面を描くという同じ出題が続き、回を重ねるごとに条件が複雑になっている印象を受けます。昨年は背景についての条件も出題されました。保育所内外での活動や行事の一場面を表現する課題は無数に考えられますので、さまざまな場面や子どもの動き・表情などを表現できるよう練習しておきましょう。

【参考】造形表現に関するこれまでの記事
保育士試験 実技(3) 造形—参考作品の紹介
保育士試験 実技(6) 造形―画材の準備
保育士試験 実技(9) 造形―豊かな表現のコツ


言語表現に関する技術

昨年、出題のスタイルが大きく変わり、今年は引き続き同じ出題となっていますので、この形式がしばらく続くものと思われます。出題の要点は以下のとおりです。
  • 予め指定された4つの題材から1つを選ぶ
  • 前方に用意される子どもに見立てた椅子等に向かって話す
以前は、3歳児向けの題材を探したり自作したりするところから試験されていましたが、昨年から予め指定された題材から選択することになりました。さらに、今年は指定の題材も昨年と全く同じ4篇となっていることから「何の題材を選ぶか」ということよりも「どのように話すか」を評価したいというねらいがより明確になりました。

また、演じる際の視線の配り方についても、これまで多くの受験者の悩みのタネでしたが、昨年の試験から子どもに見立てた椅子等が用意されることになり、子どもたちに話しかける姿を客観的に評価する試験だということがより明確になりました。

【参考】言語表現に関するこれまでの記事
保育士試験 実技(7) 言語―台本作成のポイント
保育士試験 実技(10) 言語―試験本番の流れ
保育士試験 実技(13)― 2014年 言語表現の課題

最後に、こちらは実技試験全体のねらいや合格率についての記事です。
保育士試験 実技(1) 試験のねらいと合格率

合格率の高い試験とはいえ、出題の意図から外れた表現をしてしまうと評価は当然のことながら低くなってしまいます。何を求められている試験なのか、評価のポイントを正確に知り、ねらいに沿った準備をして臨みましょう。

各分野のポイントについては、今後さらに詳しく解説していきたいと思います。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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