実技試験「造形表現に関する技術」では、どのような作品を求められているのでしょう? 以前に筆者の講座受講者さんより提供していただいた作品を紹介します。平成23年に48点(50点満点中)という高得点で合格した作品です。年月は経過しても、絵画の基礎的な技術についての評価基準は変わらないと思いますので、ぜひ参考にしてください。

造形表現で高得点合格した作品

こちらが、高得点で合格した作品です(試験での作品を後日再現したものです)。
2011test

『3匹のこぶた』の劇を練習している場面を描いた作品

造形表現の過去問題文

この年の問題文を振り返ってみましょう(平成23年度の試験当日に発表された問題文です)。

<問題>
保育所(園)での子どもたちと保育士との活動の一場面を、次の4つの条件をすべて満たして、解答用紙の枠内に表現しなさい。

<条件>
  • 室内において、「劇発表」の準備や練習でのやりとりの一場面を表現すること。
  • お面や衣装を描くこと。
  • 子ども3名以上、保育士1名以上を表現すること。
  • 色鉛筆で色をつけること。

造形表現の問題分析

写実的に描くことは求められないようですが、マンガやイラストのような、癖の強すぎる絵は、避けた方がよいと言えそうです。また『造形表現に関する技術』という分野名のとおり、何について描かれた絵なのか、言葉で説明しなくても、絵で表現することができているということも、評価のポイントでしょう。

また、この作品は「劇発表の練習や準備でのやりとりの一場面」という出題に対する解答で、
  • 3人のこどもが、ブタのお面をしている
  • 家のセットがある
  • 緞帳(どんちょう)がある
  • セットの後ろから、保育士が様子を見ている
これらのことから、
  • 劇は『3匹のこぶた』
  • 場所は舞台の上
  • 本番ではなく練習をしている
ということが、伝わってきます。このように、実在する物語を具体的に設定して描くと、作品を見る人にも、何を描いたものなのかが、はっきりと伝わると思います。

造形表現の試験対策

試験では、保育中に起こりうる『事例』を読み、その場面について、与えられた条件を満たして描くというように出題されますので、保育園の日常をよく知っていることが求められます。たとえば、年間を通しての行事や、保育室・園庭での、日々の自由遊びなども、知っておく必要があるでしょう。

このほか、
  • 物の大きさ・配置が適切なバランスで描かれている。
  • 人物(大人と子ども)の顔や身体の各部位の形や、大きさのバランス、関節の動きなどが正しく描かれている。
  • 全体に明るく、バランスの良い配色で描かれている。
  • 色が薄すぎず、きちんと塗られている。
このようなポイントで自己評価しながら、繰り返し練習しましょう。

この作品を提供してくれた受験者さんは、試験までに50作品!と目標を決めて、すべて違うテーマで描く練習をしたそうです。それらの作品の一部を『保育士試験 実技(9) 造形―豊かな表現のコツ』で紹介しています。ぜひ参考にして、皆さまもぜひ、たくさんのテーマを設定して描く練習をしてみてください。この方は絵画については全くの初心者だったそうですが、48点という高い評価で合格することができました。やはり、練習量は結果に直結すると思います。

つぎのページに、平成24年度から29年度前期までの、試験当日の出題文をまとめましたので、ぜひ練習の参考にしてください。