なでしこ佐々木監督は選手をやる気にさせるコミュニケーション術に長けているといえよう。
下馬評をくつがえして準優勝
今回は女子サッカーワールドカップで準優勝に導いたなでしこジャパンの佐々木則夫監督のリーダーシップです。ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ大会でしたが、前哨戦での戦績は思わしくなく、下馬評ではかなり低い評価でした。しかしながら、前回同様決勝戦まで辿り着き準優勝となりました。その監督のリーダーシップとは。
上から目線ではなく、横から目線で
選手たちから佐々木監督は“ノリちゃん”や“ノリオ”と呼ばれています。日本代表監督という、最高峰の組織を統率する立場の人が選手達からそう呼ばれることを聞いたことがありません。佐々木監督がそれを容認しているどころか、そう呼ばせるように仕向けているのです。監督と選手という上下関係ではなく、もっとフランクにコミュニケーションをすることを企図しています。
佐々木監督は“僕は選手たちの兄貴分、あるいは父親役”と言っています。その結果として、澤穂希選手は“今までの監督で一番選手に近いところで話してくれる監督”と評しています。
風通しが良く、自由闊達に話し合える組織は活性化します。佐々木監督がこれだけの成果を上げることができたのは“この人についていこう!”と思わせるコミュニケーションをしてきたからです。
そのコミュニケーションは、サッカーだけでなく、部下を持つビジネスパーソンにも活用できるでしょう。部下がやる気になるコミュニケーション術を佐々木監督から学び取りましょう。”この人についていこう!”と思わせるのはリーダーたる所以なのです。