ネット販売されている母乳。実は不衛生な偽物だった……
完全母乳だとこのような淡いクリーム色になる
ネット売買されている「新鮮な母乳」の成分を調べたところ、少量の母乳に粉ミルクと水を加えた可能性が高い偽物と判明したそう。しかも、栄養分は通常の母乳の半分程度で、細菌量は最大1000倍もあったというから驚きです。
最初は外国の話なのかなと思いましたが…、ついに日本でもそのような時代が来たかと驚愕しました。
米国ではすでに「母乳バンク」があり、100mlで1800円程度で取引されています。今回ニュースになった日本の母乳売買では、1パック50mlで5000円という高額で取引されていた模様。
昔は「乳母」、「もらい乳」と言い、食糧難の時代に母乳をもらう行為が確かに行われていましたが その時はご近所さんなど、顔の見える範囲でのやりとりでした。
なんでもネットで物が買える時代だからこそ、すぐ購入できる手軽さが裏目に出たのかもしれません。健康被害が起こる可能性のある偽母乳が公然とネット販売されていた事、それを何も疑わず「高品質の母乳である」と信じて子供に飲ませていた母親がいるという背景に、実は注目しなければいけません。
行き過ぎた「母乳信仰」が母親を苦しめる
すべてのママが母乳がたっぷり出るとは限らない
助産師も母親学級などで母乳育児の素晴らしさを強調することもあり、妊婦さんの中で「母乳を出したい!」「母乳でなければダメ」という空気が、いつの間にか出来上がってしまったのかもしれません。
医療従事者は、黄疸や体重減少などで医学的にミルクを足したほうがよい場合がある事も、しっかり伝えなければなりません。
科学的根拠のないデマや、何気ない一言にも注意!
ミルクもしっかり抱っこして目をみればスキンシップがとれる
また、身近な人の何気ない言葉にも気を付けて欲しいもの。
義母や実母の「ちゃんと母乳が出ているの?」「私の時は余るほど母乳がでたわ」「混合栄養は大変よね」などという何気ない言葉でも、産後のママは非常にデリケートなため傷つきます。周囲の人は十分配慮しましょう。
次ページでは「日本初!母乳バンクの取り組み」について、紹介します。