母乳育児・授乳/液体ミルク

災害時の液体ミルク利用法、備蓄は災害用にどれくらい必要?

哺乳育児に関して、最大の大規模災害対策は母乳哺育ですが、母乳が足りない場合に液体ミルクは代替品として使用することができます。災害時の液体ミルク利用法や、備蓄はどれくらい必要なのかを解説します。

赤岩 明

執筆者:赤岩 明

妊娠・出産ガイド

哺乳育児に関して、最大の大規模災害対策は母乳哺育ですが、母乳が足りない場合に液体ミルクは代替品として使用することができます。

地震等によりライフラインが断絶した場合でも、液体ミルクは、水、燃料等を使わずに授乳することができるため、国内の流通体制が整い、使用方法やリスクに関して十分に理解されることを前提として、災害時の備えとしても活用が可能です。
 
液体ミルク 災害時 災害用 備蓄 震災

災害用の液体ミルクは備蓄としてどれくらい必要?災害時の利用のコツや注意点!

液体ミルクの特徴やメリットなどの基礎知識から、災害用の液体ミルクは備蓄としてどれくらい必要なのか、利用時の注意点などを解説します。
   

液体ミルクとは?災害時の母乳代替食品に

乳児用液体ミルクは、液状の人工乳を容器に密封したもので、常温で長期間の保存が可能な製品です。赤ちゃんにとって最良の栄養は母乳ですが、母乳が不足した場合、母乳継続が困難な場合や災害時に母乳代替食品として使用できます。

液体ミルクの栄養組成は、調乳後の粉ミルクと同じになっています。そのまま飲むことができ授乳時の調乳の手間を省くことができることから、乳児用粉ミルクに比べ、授乳者の負担軽減や安全面で利点があります。

常温保存の液体ミルクは、そのまま飲めて加温は不要です。
 

災害用の液体ミルクの備蓄は、ローリングストック法で1週間程度

液体ミルク 災害時 災害用 備蓄 震災

ミルク哺乳の方が液体ミルクを災害用の備蓄する際は、ローリングストック法で使用しながら1週間程度の用意を

大規模災害対策として、自治体や病院では食料の備蓄が義務づけれらています。お米、缶詰、レトルト食品などに比べて、粉ミルク、液体ミルクは保存期間が短いので、日頃から計画的に備蓄用を使いながら、使った分を補充することで、絶えず一定量の備蓄を確保するローリングストック法を行っています。

2019年10月の台風19号の際には、液体ミルクの販売が通常の3倍に増えました(江崎グリコ提供「市場推計データ」より)。大規模災害においてパニック買いが発生すれば、一時的に粉ミルクが手に入らないことは起こりえます。

哺乳育児に関して、最大の大規模災害対策は母乳哺育ですが、ミルク哺乳の方は、個人でもある程度ローリングストック法を意識して、1週間程度の備蓄を意識しておく必要があります。
 

液体ミルクの備蓄期限

液体ミルクは、紙パックは6ヶ月缶入りは12ヶ月の長期保存が可能となっています。

滅菌済みで衛生的ですが、飲み残しは必ず廃棄して1回使い切りましょう。
 

災害時の液体ミルク利用法は、コップ授乳やスプーン授乳で

大規模災害時に、清潔な哺乳瓶・乳首は手に入りません。日頃から、コップやスプーンでミルク哺飲できるように、慣れておきましょう。哺乳瓶ほど簡単ではありませんが、昔は、全ての母親ができていたことです。大事なコツは、赤ちゃん1人の食事にゆっくり付き合う気持ちです。哺乳瓶とは違って、テレビを見ながらとか、スマホを操作しながらではできません。
液体ミルク 利用法 常温

寒い時期、液体ミルクを胸と下着の間で、ひと肌に暖める

コップ、スプーンは煮沸消毒の必要はありません(「スポック博士の育児書」より)。普通に洗って乾かしたものか、使い捨てコップやスプーンも利用できます。
 

液体ミルクの使用における注意点

  • 使用前に商品容器の破損・膨張がないか確認しましょう 
  • 開封後はすぐに使用しましょう
  • 液体ミルクは、凍結してはいけません
  • 液体ミルクは煮沸や電子レンジで温めてはいけません。
  • 水・お湯で薄めないようにしましょう
  • 飲み残しは廃棄して、冷蔵庫保存はしないように
 

液体ミルクの保存における注意点

  • 液体ミルクは常温保存をしてください
  • 保存期間は、紙パック6ヶ月、缶入り1年です
  • 液体ミルクの凍結不可。冷蔵・冷凍庫で保存しないように
  • 液体ミルクを直射日光、火のそば、夏の車内などに置いて高温にしないように 

【参考サイト】
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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