マーケティング/マーケティング事例

マクドナルドは新メニューで変わることができるのか?

マクドナルドが2015年5月21日からメニューを大幅に刷新しました。新メニューではセットメニューが組み合わせ次第で1000通りを超えるという豊富さを実現します。カサノバ社長は「お客様の要望に応えた結果だ」と自信満々ですが、果たして業績不振の流れを払拭して、復活の狼煙となるのか?マーケティング戦略の観点から検証していきます。

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

1000通りを超える新セットメニューの提供を開始したマクドナルド

マクドナルド、新メニューの提供開始

マクドナルドが1000通りを超えるセットメニューの提供を開始した

マクドナルドのメニューが2015年5月21日から大幅に刷新されました。

これまでマクドナルドでは、セットを注文する際にはサイドメニューとしてフライドポテトのみでしたが、21日からチキンナゲットやサラダ、スイートコーンを加えて4つの中から顧客が好きなものを選べるようになったのです。

メインメニューのハンバーガーも野菜がたっぷり取れる『ベジタブルチキンバーガー』や朝メニューには『ベジタブルチキンマフィン』、そして子供向けには3種類の野菜を練り込んだチキンパティを使った『モグモグマック』を投入し、最近の健康志向の顧客の取り込みを図ります。

マクドナルドは、このメニューの大幅な刷新により、ハンバーガーとサイドメニュー、ドリンクのセットは総数1000通りを超える組み合わせを実現。新メニューの発表の席上でサラ・カサノバ社長は「お客様の要望に応えた結果だ」と自信をみなぎらせました。

マクドナルドでは、昨年から立て続けに起こった不祥事の影響により、顧客離れが深刻化しており、業績の悪化に歯止めがかからない状況が続いています。

結果として、2015年12月期には380億円という大幅な最終赤字が見込まれています。そこで、メニューのバリエーションを圧倒的に増やし、より多くの顧客のニーズに対応して危機的状況から抜け出そうというのです。果たして、マクドナルドのこの新たな試みで復活の狼煙を上げることができるのでしょうか?

私は、残念ながら2つの理由から、今回のマクドナルドのマーケティングは厳しい結果に終わるのでは、と予想しています。

>>その理由を次のページで解説します。
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