成熟度3:支援型リーダーシップ(波のある上級者向き)
より高い組織生産性が求められる昨今、個々のメンバーの力量を踏まえた木目の細かいリーダーシップが必要!
成熟度4:委任型リーダーシップ(安定したベテラン向き)
仕事遂行の責任を委ねるリーダーシップスタイルです。タスク志向・人間関係志向ともに最小限のリーダーシップです。メンバーが完全に自立性を高めてきた場合に有効です。指示的行動、支援的行動ともに少ないのが特徴。リーダーはメンバーと話し合い、合意の上で目標や課題を決め、後はメンバーに任せて成果の報告を求めるのみです。
新入社員の“五月病”対策にも有効な理論
リーダーはメンバーのレベルに対し、指示と支援の比重を変えて接します。成熟度1は新入社員やその仕事の初心者が該当します。ですから業務に関する具体的な指示を多く必要としますが、意欲は高いので支援的な行動はさほど必要ありません。これに対し、成熟度2は仕事にある程度慣れた半面、意欲が低下する言わば“五月病”の状態。「目標や作業指示を与えながら、適切な行動を褒めたり、提案を求めたりといった支援的な行動を厚くすべき」と考えます。
成熟度3に対しては支援的行動によって自信を持たせて自律を促し、成熟度4には権限を委譲し、指示と支援を両方とも減らします。
リーダーは個人の能力ではなく仕事ごとにレベルを定義します。例えば、システムエンジニアがプロジェクトマネジャーになった場合、システム開発の仕事では成熟度4でも、マネジメントにおいては成熟度1である可能性があります。リーダーは仕事の内容を見極めて対応する必要があるのです。
この理論を導入している大手企業では「社内の共通言語にすると、グローバルなチーム運営がスムーズになる」と指摘しています。メンバーとリーダーの面談の場でこのフレームワークに沿って仕事のランクを共有し、リーダーが行うべき指示と支援を決めていくのです。