大学生の就職活動/就職活動の準備

内定後は就活継続が可能?内定を持ちながらの就活について

今回は、内定後も納得するまで就活を継続するための方法を解説!就職活動における1つのゴールは志望企業から内定にあるが、2社以上の内定を得た場合は、第一志望以外に対しては内定の保留または辞退をする必要がある。しかし内定が出た時点で、就活終了を学生に求める企業も少なくない。

小寺 良二

執筆者:小寺 良二

ライフキャリアガイド

内定後の就活継続はあり?「おわハラ」の原因とは

実際は内定後も就職活動を継続したいことも多い

実際は内定を得てからも就職活動を継続したいことも多い

「弊社からの内定を承諾した時点で、就職活動は終了して頂きます」

本来、就職活動というものは企業から内定を出て学生が承諾書を提出した瞬間に終了するものである。内定を得たのだから、学生には就職活動を継続する必要性すらないはずだ。しかし現代の就職活動では、学生は企業から内定が出ても就職活動を継続し、第一志望の企業から内定を得た時点で他の企業からの内定を辞退するという傾向がある。

そのため最近は企業が内定を出した時点で、学生に就職活動の終了を求める「おわハラ(終わハラ)」という言葉もあるようだ。(実際にその行為が“ハラスメント”に該当するかは定かではない)

学生にとっては就職活動を終えるタイミングは自分で決めたいのに就職活動の終了を強要してくる企業は自分勝手だ!と思うのもわからなくもない。しかし企業にとっても内定を出した学生から内定を辞退されるのは、採用活動上非常に迷惑なことなのだ(他の評価の高かった学生を不合格にして内定を出しているのだから)。

選考の段階で他に志望度が高い企業があることを伝えてくれれば、企業側も辞退のリスクに備えることも出来るが、多くの学生は選考中を受けている会社を「第一志望」だと言う。だから人事もうちが第一志望なのであれば、内定を出した段階で就職活動を終了して入社に向けての内定者研修などに集中してもらえることを期待するのも当然だ。

しかし選考中は「第一志望」だと熱く語っていた学生も、内定を取ると「実はまだ選考を受けたい会社がある」と本音を言い始めるから「それはちょっと話が違うのではないか、出来れば内定を出した段階で就職活動は終了してほしい」と学生に求める状況が「おわハラ」の実態だと思う。

このような企業と学生のコミュニケーションギャップが就職活動の終了を強要されてしまう最も大きな原因になっている。

しかし、それでも志望度の高い企業が2社以上できることは就職活動を一生懸命頑張っていれば当然起こりうることだ。そういった状況ではどのように対応すれば良いのだろうか。
   

内定後であっても、入社する意思のない企業の最終面接は基本受けない

企業が学生に内定を出すのはとても重要な意思決定なのだ

企業が学生に内定を出すのはとても重要な意思決定なのだ

もし「おわハラ」に対策があるとすれば、それは内定が出てからの対応では遅い。内定を出る前の対応が最も重要である。

まず学生は企業が1人の学生に内定を出す(採用を決める)という判断がどれだけ重いものかを理解した上で、最終面接に臨んでほしい。よく志望度の高くない企業に対して「練習で面接を受ける」学生もいるが、それは1次面接や2次面接であれば気軽な気持ちで受けてみるのも悪くはないが、採用するかどうかが決まる最終面接にはそのスタンスで臨んで欲しくない。

もしも内定が出ても入社する可能性がない企業に対しては、しっかりと最終面接前にその意思を伝え辞退を申し出よう。内定を得ても就職活動を終了する意思がない企業を受けなければ、まず「おわハラ」を受けることもない。それでも企業側が最終面接に進んでほしいと求めた場合は「内定が出ても就職活動を続ける可能性が高い」ことを伝え、了承を得た上で受けると良い。(内定を出しても学生が就職活動を継続することを認めてくれる企業も意外に多い)

難しいのは第一志望ではないが、志望度十分あり内定はぜひとも得たい企業のケースだ。よく最終面接で「御社が第一志望と言うべきかどうか」で迷う学生も多いが、その企業の内定獲得だけを考えればウソでも「第一志望です!」と言い切った方が当然評価はいいだろう。しかし当然企業側は第一志望であることを認識した上で内定を出すわけだから「就職活動を継続したい」という意思を伝えた時に「話が違うじゃないか」となる可能性はある。

ガイドは学生の就職支援だけではなく企業側の採用戦略の立案などにも関わっていることから、ぜひ学生も企業も双方の本音をぶつけあった上で「内定」という結果を出してほしいと思う。
 

第二志望の企業には自分の状況を理解してもらった上で内定を得る

もし志望度は高いが他にも志望度が高い会社がある場合に第一志望かどうか聞かれた時はその会社への高い志望度を伝えた上で「実は・・」と他にも行きたいと思っている企業があり迷っていることを伝えよう。しかし「御社は第二志望です」と状況だけ伝えてしまうと、その場で評価を落とし不合格になることは目に見えている。重要なのは他にも行きたいと思っている企業はあり迷っているが、なぜこの会社を受けているかその理由をしっかり伝えることだ。その会社に魅力を感じているからこそ最終面接の場にいるので、その想いはしっかり伝える。しかし当然他にも魅力を感じている会社はあるので正直今の自分は迷っているということを本音で伝えてほしいのだ。

最終面接の面接官は企業の役員か経営者だ。その企業のトップにいる人であれば、誰でも自社を第一志望であると言ってもらえれば嬉しいが、それ以上に人間は完璧ではないことも十分にわかっている。当然行きたいと思う会社が他にもあって迷っている状況というのは進路を考える人間なら誰しも起こりうることだ。

中には第一志望でないことで不合格にする面接官もいるかもしれないが、それ以上にそういった大切なことをしっかりと本音で伝えてくれる裏表のない人材なのだということを評価してくれる面接官の方が多いだろう。

ガイドは多くの経営者や人事部長など最終面接を担当している方々と話してきたが、ほとんどの方が「自社が第一志望でなくとも、その人材を評価していれば内定を出す」と言っている。だから「第一志望です!」とむやみに言うことに頼って内定を得てほしくないのだ。

この話を就活を終えた内定者が聞くと「嘘をついてでも第一志望と言った方が絶対受かりやすい!」と反論するかもしれない。しかし就職活動で嘘をついて成果を出した経験は、必ずその後の社会人生活にも癖として残る。内定は数多く取れるかもしれないが、短期的な成果だけを求める人材にはなってほしくない。

ぜひ企業との本音のコミュニケーションを通じて、学生と企業双方が納得する就職活動を実現してほしい。

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