オープン日、待ち時間は最大約2時間以上の行列

過熱する日本のコーヒー市場

過熱する日本のコーヒー市場だが……

2015年2月6日、東京の下町、清澄白河にブルーボトルコーヒーの日本第1号店がオープンし、話題となっている。ブルーボトルコーヒーとは、アメリカ西海岸を中心に展開するコーヒーチェーン。アメリカ以外では日本が海外初の店舗展開だという。オープン当日は、日本上陸を心待ちにした人達の行列ができ、待ち時間は最大で約2時間以上にもなった。なぜブルーボトルコーヒーにこれだけの行列ができたのか。ブルーボトルコーヒーが話題になった理由を4つのポイントから解説する。


1.産地へのこだわり、煎れ方のこだわり

にぎわうブルーボトルコーヒー

にぎわうブルーボトルコーヒー

サードウェーブコーヒーという言葉を聞いたことのある人もいるだろう。コーヒー業界に押し寄せる第三の波ということだ。第一の波はコーヒーの大量生産が可能になり、薄めの味のアメリカンコーヒーが一般に普及した時代。世界中で幅広くコーヒーが飲まれるようになった。そして、第二の波はスターバックスコーヒー(スタバ)やタリーズなどを軸に中心としたシアトル系コーヒーの時代。深煎りの味わいが人気となった。このほか、多くのチェーンで行程がマニュアル化されたため、同じブランドであればどこで飲んでも平均してレベルの高い味が楽しめるようになった。

そして登場した第三の波。豆の産地にこだわり、1杯1杯にこだわりを持ってコーヒーを提供していくものだ。サードウェーブコーヒーを代表する存在として日本に登場したブルーボトルコーヒー。1号店を訪れてみると感じるのは、まるで工場のような雰囲気だ。外観こそシンプルな白の壁に青のボトルロゴが映えるのだが、空に向けてダクトが高く立ち、中には工場の機械のようなものも見えるのだ。2週間経ってから訪問した時も、平日の昼間だったが3時間待ちの行列が出来ていた。それにも関わらず、中にいる店員は自分のペースを乱すことなく、1杯1杯コーヒー作りに集中していたのが印象的だった。この雰囲気から、ブルーボトルコーヒーが強いこだわりを持ってコーヒーを作っていることが伝わってくるのだ。


2.一号店として意外性のある出店場所

熾烈を極める日本のコーヒー市場で受け入れられるためには、サードウェーブコーヒーの特徴でもある”こだわり”を強烈に打ち出すことがPR的には正解だ。"こだわり"をPRするための工夫は日本1号店の出店場所に現れている。ブルーボトルコーヒーは日本1号店を青山でもなく代官山でもなく六本木でもなく、あえて清澄白河という意外性のある場所に出店してきた。

清澄白河は知る人ぞ知るアートとコーヒーの街。清澄白河には、古い建物をリノベーションして使用している施設も多く、その意味でブルーボトルコーヒーの"こだわり"は、清澄白河という街の持つ特性とも相性がいいと言える。結果的に、「ブルーボトルコーヒーはオシャレな代官山や渋谷近辺のカフェとも、どこでも飲むことができるスタバなどとも違う。意外な場所に出店するからには大きな自信があるのだろう」という印象を消費者に与えたのではないか。

ちなみに、普通に考えれば500円前後のコーヒーに2時間以上の行列をすることは考えにくいのだが、ここに来る人達にとっては2時間以上の待ち時間も、コーヒーを楽しむまでの有意義な時間なのだろう。客層を見れば男女比は半々で20~30代の2人グループが目立っていた。ガイドが入店を待つ間、彼らの多くが、スマホをいじるよりも、語り合ったり、読書をしたりしていたのが印象的だった。

ブルーボトルコーヒーは、1号店で"こだわり"を見せた後、2号店を青山、3号店を代官山とカフェ人気の高いエリアにオープンさせる予定だ。1号店オープンを最大限PR出来たことは、2号店や3号店にも良い影響を及ぼすだろう。コーヒーへの"こだわり"を消費者に強く訴えることができたというこの「成功」は、より大きな注目を浴びることに繋がるはずだ。

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