パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

VIRON バゲットレトロドールの魅力(4ページ目)

2003年の創業以来、All Aboutのベストパン人気投票で毎年のようにベスト3以内に入るVIRON(ヴィロン)の看板商品は「バゲットレトロドール」。VIRONはこのバゲットの店、とも言えます。あらためて、VIRONの魅力や愉しみ方をご紹介、そしてこのバゲットにかけられた想いに迫ります。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

レトロドールにかけた想い

バゲットレトロドールは現在、渋谷店と丸の内店合わせて最多で日に1600本が焼かれます。ハード系のパンがなかなか売れないという日本のパン屋さんで、これは驚くべきことかもしれません。そもそも、レトロドールとはどんな小麦粉なのでしょうか。
バゲットレトロドール

バゲットレトロドール

レトロドールは20年ほど前、ヴィロン社の現社長、アレクサンドル・ヴィロンさんの父、フィリップさんが古き良き時代のパンへの想いを込めてつくりあげた小麦粉です。毎年9月に小麦の名産地、ボース平野の200種類以上の小麦の中から選別し、3ヶ月かけて吟味され、ブレンドされます。そう、吟味。パンは小麦粉、酵母、水、塩というシンプルな材料ゆえ、味が最重要視されるわけですが、小麦粉のスペック、すなわち灰分、水分、タンパク量は一定ではない。それを職人が店で調整し、良いバゲットに仕立てなければなりません。
ミ(中身)の好きな人はプーリッシュを

ミ(中身)の好きな人はプーリッシュを

粉袋を開けて、見た目でもタンパクや灰分量を判断しなくてはならないこと、給水もミキシングも常に微調整が必要ということを、シェフの牛尾則明さんは伝えています。このことはこちらで書いています。
VIRONの美味しさの秘密と小麦粉の販売開始

技術を持った職人が誇りをもって働ける場を創出しながら、もうひとつ、西川さんが努めているのは、パンの価格に対する世の認識を変えること。
クロワッサン

クロワッサン

「日本のパンの価格は、商品レベルからしたら安すぎる。安くして買ってもらおうというのは間違いで、適正価格であるのに買ってもらえないなら辞めるしかない。うちは祖父の代からそのことをずっと考えてきました」。品質第一。ストーリーがスタイルがといっても、品質がよくなかったらおしまい。クオリティの価値を理解してもらうこと。西川さんの挑戦は続きます。
入口付近のポスター

入口付近のポスター

冒頭で、VIRONにはフランスにオリジンとなるパン屋さんがない、と書きましたが、今はパリ出店を目指し、物件を捜し中なのだそうです。バゲットの逆輸入?楽しみですね。
パティスリー

パティスリー


VIRON渋谷店

VIRON渋谷店

■VIRON 渋谷店
住所:東京都渋谷区宇田川町33-8 塚田ビル
電話:03-5458-1770(1F販売)03-5458-1776(2Fブラッスリー)
営業時間(販売):9時~22時
(ブラッスリー):朝食9時~12時(L.O 11時)ランチ12時~15時(L.O 14時)
カフェ15時~18時(L.O17時)ディナー19時~24時 (L.O 22時30分 バー23時)

丸の内店
東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビルディング 1F
TEL 03-5220-7288(販売)5220-7289(ブラッスリー)
営業時間10時~21時(ブラッスリーは~24時)
粉袋を再利用したバッグも販売

粉袋を再利用したバッグも販売


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