ネット接続するために必ず通る稟議書の書き方を教えます

1994年、個人でもインターネット接続できる時代が到来

1994年、個人でもインターネット接続できる時代が到来

日本初の商用プロバイダIIJが1992年に設立されました。

1994年6月にIIJがダイアルアップ接続サービス(電話回線を使ってインターネットへ接続)提供を始め、会社や学校でしか接続できなかったインターネットが個人に開放されます。

同じ年の9月にベッコウアメ、10月にはリムネットがダイアルアップ接続サービスを開始、個人でもインターネット接続できる時代が到来。

当時、ダイアルアップ接続サービスを提供していた商用プロバイダはIIJ、Spin、InfoWeb、リムネット、JETON、インターネットWIN、ベッコウアメの7社。個人向けといいながら高品質のInfoWebは接続料が1分30円という時代です。ベッコウアメは価格破壊型で初回登録料1万円、年会費が2万円の固定料金でした。他に安いのはリムネットとインターネットWINで、個人でつなぐならこの3社。

ただベッコウアメは安かった分、問題があるユーザが多く集まり、なかには危ないサイトを立ち上げて稼ぎ出すユーザも出ました。ユーザとベッコウアメが警察の強制捜査を受け、これが国内初のプロバイダへの捜査。その後も同様の事件があり、よく紙面をにぎわしました。

インターネット接続はハードルが高かった

インターネット接続にはパソコンやネットワークの知識が必要だった

インターネット接続にはパソコンやネットワークの知識が必要だった

今でこそインターネット接続は当たり前ですが、当時、インターネット接続していた会社そのものが珍しい時代。テレビや雑誌でホームページという言葉がよく出るようになっていましたが、まだインターネットに接続していない会社の社員はなんとかホームページというものを一度、見てみたいと思っていました。

個人向けのダイアルアップ接続サービスは登場していましたが、接続するにはモデムの知識、アプリケーションのインストールや設定など面倒な作業がいろいろ必要で、そうとうパソコンやネットワークに詳しくないとできません。モデムにケーブルをつなぐだけでなくATコマンドというモデムを制御するためのコマンドを入力して、ネットワーク接続する時代でした。

個人では無理なのでITに詳しい技術者や業者がいる会社でなんとかインターネットにつなげられないかなと思っているところへ登場したのが「インターネット接続を社長にお願いするときの文章の書き方」。雑誌「インターネットマガジン」に掲載されていました。

インターネット接続を社長にお願いするときの文章の書き方

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拝啓 社長殿 IP接続 かならず通る稟議書の書き方

題して「拝啓 社長殿 IP接続 かならず通る稟議書の書き方」。

当時、会社から専用線を使ってプロバイダと接続しようとすると月に20~50万円の経費がかかりました。年間240~600万円となりますので、会社もおいそれと許可するわけにはいきません。そこで稟議を通さないといけませんが必要なのが稟議を通すための殺し文句。雑誌にいくつか紹介されています。

・別のコストが削減できます
海外と連絡するのに国際電話やテレックスが使われていた時代。コストが馬鹿になりません。インターネットに接続すれば国際電話やテレックスを電子メールで置き換えることができるので、これは効果がありました。

・名刺に電子メールアドレスのない会社は生き残れないそうです
名刺に電子メールアドレスを載せるだけで、名刺を受取った相手から「すごく先進的な会社ですね」と感心された時代です。

・社長の顔を世界じゅうにアピールできますよ
企業ホームページのトップページに社長の顔写真がドーンと載っていた時代。会社のホームページができたと取引先や親戚に連絡すると「ホームページとはすごいですね!」と皆が見てくれました。

・同業他社がやり始めましたよ
集団主義の日本人のメンタリティーに根差した言葉。今でもいろいろな場面で活用できます。

雑誌には日本インターネット協会会長・石田晴久教授(東京大学)の社長向けに書かれたインターネット接続のメリットという真面目な文章があり、これをコピーして稟議書の添付資料に使うと、さらに成功率が高まると至れり尽くせり。20年ほど前までインターネット接続するだけで大騒動した時代でした。

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