バレエ/バレエ関連コラム

バレエダンサーの怪我との付き合い方

バレエ公演のために、一生懸命練習を続けるダンサーたち。もし彼らが公演中に怪我をしたら、代役が怪我をしたダンサーの代わりを務めることになります。バレエダンサーの怪我との付き合い方について考えてみましょう。

執筆者:石島 みどり

<目次>
 

バレエダンサーの舞台上での怪我

バレエダンサーの舞台上での怪我

バレエダンサーの舞台上での怪我

バレエ公演のために、一生懸命練習を続けるダンサーたち。もし彼らが公演中に怪我をしたら、代役が怪我をしたダンサーの代わりを務めることになります。そのためリハーサルの段階から踊りのパートそれぞれで、代役も一緒に練習を重ねます。

主役が舞台上で怪我をした場合は、どんな事があっても舞台袖に行かなくてはいけません。多少の休憩時間を要して、代役が続きを踊ることになります。舞台上から舞台袖に行く事が難しい場合は緞帳が下り、休憩を挟み仕切り直して代役が踊ることになります。

どんな場合に怪我する?

ダンサーの足に多い怪我の例

ダンサーの足に多い怪我の例

怪我でもっとも多いのは、滑って転ぶことでしょう。特に女性の場合、先の細いトゥシューズを履いて踊りますので、勢いあまってスーッと滑っていくことがあります。

私も以前、世界的にとても有名なあるプリマバレリーナが、『ドン・キホーテ』の開演直後に、すってんころりんと尻餅をついてしまうのを見たことがあります。その時は幸い怪我には至らなかったようで、すぐに立ち上がって踊りに戻り、何事もなかったかのように終演まで完璧に踊りきりました。

また、ジャンプの着地で失敗して怪我することもあります。上下のジャンプではなく、移動を伴う大きなジャンプのときは、片脚にかかる負担が大きいので怪我につながる可能性が高くなります。これは比較的男性ダンサーに多く見られる怪我です。

「ダンサー骨折」

大きなジャンプの中でも回転と移動を伴うものでは、着地のわずかな加減の違いで足先や膝を怪我してしまいがちです。特に、足部の骨折の中には「ダンサー骨折」という別名がつくようなものまであります。それだけダンサーにありがちということですね。ありがちだからといって治りやすいわけではなく、プロダンサーがこの骨折が原因で引退してしまうということもあります。

普段のレッスンの中でこの骨折をすることもあります。実力以上のテクニック、特に回転技などに無理して挑戦したりすると、あっけなくポキっと行ってしまうことがあります。その場では骨折とは気づかないことがあるので、要注意です。

リフトでも骨折の可能性が

あとはリフトで失敗するけース。女性と男性のタイミングが合わずに失敗する事があります。プロの男性ダンサーは女性を落とすことはありませんが、アマチュアのダンサーと組むときは練習やリハーサルも含めて常に要注意です。

以前、海外の文献で、リハーサル中、男性のミスで女性が足を複雑骨折する例が紹介されているのを読んだことがあります。やはり危険な動きに変わりはありませんので、常に注意が必要ですね。

専門家と連携して怪我対策

バレエは大人数で舞台を作り上げていくので、怪我人が出ても代役を立てて公演を続行します。この部分が個人競技のフィギュアとは違いますね。ですが、身体を酷使して鍛え上げていくプロセスは大変似ていて、どちらも精神的な強さが求められます。

ただし、身体の声を聞かずにストイックに鍛え続けてしまうと、上記のような思わぬ怪我をしてしまうことがあります。ですので、適度に身体の声を聞くこともパフォーマンスをアップさせるためには必要となります。

身体の声を聞くのは大事と思っていても、上達にブレーキが掛かるようでついつい疎かにしがちなこともあるでしょう。そういう時は、身体の専門家に診てもらって、何処がどうなっているのか、何処に負担がかかっているのか、といったことを指摘してもらうようにするといいでしょう。

お金はかかりますが、それをせず怪我をしてしまった時の代償のほうが大きくなることも珍しくありません。

チームあなた

オリンピック選手が「チーム○○」を結成し、技術の専門家、食事の専門家、メンタルの専門家などと連携して、メダルを目指すことがありますね。あれを真似て、「チームあなた」を結成してはいかがでしょうか?

もちろん、大々的に公表する必要はなく、頼れる専門家とつながっておく程度でいいと思います。医師、トレーナー、治療師、管理栄養士、メンタルコーチなど、あなたのパフォーマンスを上げるのをサポートしてくれそうな専門家と知り合いになっておいて、時々アドバイスを求める程度でもいいと思います。

自分一人では気づけないような、さまざまなアドバイスが得られること間違いなしです。

大人のバレエの生徒さんでも、上達を意識している方にはおすすめいたします。

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