アラベスクは 「アラビア風の」、「唐草模様の」 という意味です。なぜこのような意味の言葉がバレエのポーズに使われたかは、いろいろな説があるので特定できませんが、とても有名なポーズであることに違いはありません。
バレエのアラベスクのポーズは、踊りに多様性を与えてくれます。

アラベスクのポーズは、踊りに多様性を与えてくれます。

アラベスクは、片脚で立ち、他の片脚を後に伸ばしたポーズのこと。アラベスクの形の呼び方は、メソッドにより異なります。今回はワガノワメソッドで説明します。
 
 

バレエ技術「アラベスク」の形

■第1アラベスク
舞台に対して右横に向き、右腕が前、左腕が横、左脚が後ろになります。顔は前に伸びた手先の方を向きます。

■第2アラベスク
舞台に対して右横に向き、左腕が前、右腕が横、左脚が後ろになります。顔は左に回し舞台正面を向きます。

■第3アラベスク
舞台に対して右斜めクロワゼ方向に向き、右腕が前、左腕が横、右脚が後ろになります。顔は前に伸びた手先の方を向きます。

■第4アラベスク
舞台に対して右斜めクロワゼ方向に向き、左腕が前、右腕が後ろ、右脚が後ろになります。ウエストで上体を右方向に強く回旋します。それにより、大きなポーズを作る事が可能になります。顔は左に回し左手先の方を向きます
 

アラベスクの技術的な注意点

■脚は完璧に伸ばしきること
まずもっとも大事なのは、後ろの膝を完璧に伸ばしきることです。後ろにある脚はどうしても意識が行きにくいので、少しでも気を抜くと膝が曲がってしまいます。もちろん軸脚の膝も伸ばします。そしてこれが一番大変なのですが、脚は真後ろに上げます。

■腕は軽やかに保つ
肘と手の平は下を向けます。この腕の形はアラベスク以外では出てきません。手首は折らずに伸ばし、空気の上に腕を乗せているかのように軽やかに保ちましょう。

■両肩は水平に
両肩は常に水平を保ちます。第4アラベスクを除く3つのアラベスクではパンシェ (上半身を前方下に倒し、脚を高く上げるポーズ) をしますが、パンシェをしている最中でも両肩は水平を保たなければなりません。

■背中の柔軟性は非常に大切
アラベスクでは背中の柔軟性がとても大事になります。背中が柔らかければ、脚を高く上げた際に上半身を不必要に前へ倒す必要がなくなるからです。脚を90度に上げるときは、上半身は少しだけ前に倒します。倒す意識よりも前方へ伸びるようなイメージで動かすとポーズが決まります。
 

バレエにおけるアラベスクの芸術性

アダージオの曲で踊られるアラベスクはとてもロマンティックで優雅です。特に有名なのは 『白鳥の湖』 でオデット姫が王子と踊るアダージオでのポーズではないでしょうか。今にも飛び立ちそうで、それでいてどこか弱々しくて、アラベスクのポーズなしにあの叙情性は生まれないと思います。

一方、跳躍などでの躍動感あるポーズの時には、腕を高く上げて空間を大きく使います。優雅さとはまた違ったポーズになります。

アラベスクは腕の高さ、脚の高さなどでそのポーズの性格を変えられる、とても多様性のあるポーズです。アラベスクがどのステップの間で生み出されるのか、どの音で踊られるのか、これらのことを考えながら、自分なりのニュアンスを加えてみると今までと違ったアラベスクを作り出せるかもしれませんね。ぜひアラベスクの多様性を身につけて欲しいと思います。

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