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初めてのパン作り!初心者におすすめな道具や工程の基本とコツ

初めてのパン作りの方への基本的な工程の説明です。パン作りはなぜこの工程が必要なのか?を正しく理解しながら作業を進めることが大切です。簡単なパン作りの道具や工程のコツを学びご家庭でも美味しいパンを作ってみましょう!

小泉 真咲子

執筆者:小泉 真咲子

はじめてのパンレシピガイド

初めてのパン作りで、簡単に美味しいパンを作るには?

初めてのパン作りの基本とコツ

初めてのパン作りの基本とコツ

手作りのパンはコツさえつかめばとても美味しく仕上がります。生地のふっくらとした手触りや、焼きたての食感はなんともいえない幸せな気分にしてくれますよね。ここではパン作りの基本的な工程、注意点やコツなどを簡単に分かりやすくお伝えしてきます。まずは難しく考えずに楽しみながら作ってみましょう。  
   

初心者に作りやすいのは小型のパン

丸パン

型も不要で手軽に作れる丸パン

生地になれるために、丸パンやロールパンなど小さくて、型のいらないパンを作ってみましょう。生地が小さい分、仕上発酵や焼き時間が短くて済みますし、成型も簡単ですので失敗が少なく作りやすいです。

まずは生地をこねた時の感覚、発酵後の生地の柔らかさ、オーブンの温度調整などを確認しながら流れとコツをつかむことをお勧めします。

基本の生地をマスターしたら、生地に黒ゴマや粉チーズ、 オレンジピール、レーズンを入れてみたり……と、オリジナルの生地にアレンジしてみましょう!自分好みで副材料を加え、作り方は変わらず簡単に様々な味を楽しむことができます。ではパン作りの基本の工程に入る前に、道具の準備と材料の計量をしましょう!
 

パン作りの道具の準備と材料の計量

パンを作るためには、最低限の道具と材料が必要になります。道具については以下のものを揃えておき、あとは台所にあるもので代用して使うこともできます。

■パン作りの道具
キッチンスケール、カート、スケッパー、ヘラ、麺棒、パンマット(+パンマットのすべり止め)、ボウル、オーブンペーパー、ある程度の大きさのタッパウェアなどの容器(ベンチタイムで使用します)、温度計
 
正確な計量が美味しさへの第一歩です

正確な計量が美味しさへの第一歩です

材料を活かして美味しいパンを作るためには、正確な計量が大事です。間違えると膨らまなかったり、硬くなったり、失敗を招く原因になりますので気をつけましょう。

卵、牛乳などを使用する場合は生地を冷やしてしまわないために、冷蔵庫から出して常温に戻しておきます。また、パンをこねる台はテーブルでも台所の空きスペースでもかまいませんがきれいに拭いて生地をこねるようにします。

■パン作りの材料
強力粉、イースト、砂糖、塩、ショートニング、バター、卵、スキムミルク、牛乳、水など
 

初めてのパン作りの基本の工程

パン作りの工程はとてもシンプル。大まかにわけると8つのステップで完成します。
1)こねる→2)一次発酵→3)分割→4)丸め→5)ベンチタイム→6)成型→7)仕上発酵→8)焼成
この工程はほとんどの基礎のパンに当てはまるので覚えておきましょう。
 

1)こねる…… 材料を混ぜ合わせ生地を作る

仕込み水を加えながら粉をかきまぜます

仕込み水を加えながら粉をまぜます

ボウルに強力粉、イースト、砂糖、塩、スキムミルクなど(油脂以外の材料)を入れます。そこに仕込み水(=水・牛乳・卵などの水分)を少しずつ、粉をかき混ぜながら加えていきます。

ボウルの中で粉と水分がある程度まとまったら生地を台の上に出し両手に体重をかけ手を前後に動かしながらこね始めます。
 
体重をかけてしっかりとこねます

体重をかけてしっかりとこねます

約2分程度こね、粉と水分とが混ざり合えば油脂を加えていきます。油脂を加えてから、続けて約5分程度同じようにしっかりとこねます。こねた生地をまとめ、数回台に叩きつけをすることで、生地の表面を滑らかに整えていきます。
 
生地をゆっくりと左右にひっぱり向こう側が透けて見えればOK

生地をゆっくりと左右にひっぱり向こう側が透けて見えればOK

ここで十分に粘り気のあるグルテンを形成しましょう。グルテンとは生地の組織と組織をつなぐ膜のようなもので、発酵中に膨らんだ生地の中に発生するガスを生地の外に逃さないために必要となります。

グルテンがしっかり形成され十分にこねられたかを確認するには、両手指で生地の一部をつまんで左右に優しく伸ばし、向こう側が透けて見えるくらいであれば大丈夫です。(グルテンチェック
 

2)一次発酵……こねあがった生地を発酵させる

指を抜いて縮まなければ発酵完了

指を抜いて縮まなければ発酵完了

こね終わったら生地をボウルに入れて発酵させます。発酵の温度が高すぎると、カスカスの生地になりますので、35度以下の温度で発酵させましょう。その際、乾燥しないように気をつけます。

温度が低い場合は、ゆっくりと発酵しますので様子を見ながら時間を延ばします。約2倍の大きさ、指を挿しても指の跡がそのまま残るくらいが目安とされています。(=フィンガーテスト

(発酵の例)
■オーブンの発酵機能を利用する
■ボウルを発泡スチロールに入れる(その際、温かいお湯を入れたカップなどを一緒に入れ乾燥を防ぎます)
■ボウルにラップをして出窓などの暖かい場所に置く
 

3)分割……生地を作りたい大きさにカットする

スケッパーをぐっと押して生地を離します

スケッパーをぐっと押して生地をカットします

一次発酵で2倍に膨らんだ生地を、作りたいパンのグラム数に計量していきます。切り口から乾燥していきますので手早く行いましょう。スケッパーは前後に動かすと生地が引きつってしまいますので気をつけます。



 

4)丸め……生地の表面に張りをもたせ球状に

両手で生地を手前に引き、丸めていきます

両手で生地を手前に引き、丸めていきます

分割した生地を丸めて滑らかにします。すると焼き上がりの表面がきれいにパリッと仕上がります。また、グルテンに適度な刺激を与えグルテン膜を強くすることでふっくらとボリュームのあるパンに焼き上がります。



 

5)ベンチタイム……丸めた生地を休ませる

常温で乾燥させないように気をつけて生地を休ませます

10分~20分休ませると生地は伸びやすくなります

丸めた生地を常温で休ませます。すぐに成型しようとすると、弾力が強すぎて思うように伸びません。

乾燥しないようにタオルを敷いたタッパなどに生地を置き、蓋をして寝かせましょう。硬く絞ったタオルを掛けてもいいですが、生地が冷たくならないように気をつけましょう。

 

6)成形……パンの形を作る

めん棒を転がすようにあてていきます

めん棒を転がすようにあてていきます

ガスを含んだ生地をめん棒で伸ばし形を作っていきます。生地を乾燥させないためにも手早く作業をすることを心がけましょう。

冒頭で初心者向けとご紹介した丸パンの場合は、めん棒で生地を伸ばしてから丸めて、表面を滑らかにしましょう。


 

7)仕上発酵……成形したパンを発酵させる

生地が乾燥しないようにビニールに入れ暖かなところに置きます

生地が乾燥しないようにビニールに入れ暖かなところに置きます

オーブンシートを敷いたオーブン板に、成型したパンを置き発酵させます。温度は35度以下。一次発酵と同様、湿度のある場所で発酵させます。成型した生地の約2倍、でき上がりの8割の大きさを目安にします。

(発酵の例)
■ オーブンの発酵機能を利用する
■ オーブン板ごとビニール袋に入れる
■ ふんわりとラップをかける
 

8)焼成……発酵させたパンを焼く

電気オーブンはガスオーブンより温度設定が低いことが多いので、焼成温度を高めに設定すると良いかもしれません

焼き時間を延ばさず、温度で調整するのがコツです

仕上発酵終了後、すぐに焼きに入りますので必ず予熱をしましょう。オーブンはそれぞれ特性がありますので、温度や焼き加減を調整しながら、ご家庭のオーブンの特性を知ることが大事です。

焼き時間を延ばすと生地が乾燥していきますので、焼き色がつきにくい場合は、温度を上げて焼き上げるようにします。50gの丸パンでしたらガスオーブンの場合170度で10~12分を目安に焼いてみましょう。
 

初めてのパン作りへのワンポイント・アドバイス

温度計で温度を計る癖をつけましょう

温度計で温度を計る癖をつけましょう

パン作りには「温度」がとても大事です。ここで言う温度とは、生地に加える水分の温度や発酵温度です。生地に加える水分は、春・秋は「40度-室温(粉温)=水の温度」、夏は「35度-室温(粉温)=水の温度」、冬は「45度-室温(水の温度)」を目安に温度を調節してください。

また、発酵では温度が高いと生地がカスカスとなってしまいますので、真夏は直射日光が当たる場所は避けましょう。逆に冬は寒すぎるとなかなか発酵しませんので、ポカポカと暖かい日差しがあたる場所、冷蔵庫の上などぬくもりがあるところに置き、温度計で温度を確認しながら行いましょう。春・秋は常温でもきれいに発酵します。また電気オーブンについている発酵機能を利用する時は温度が正確であるかどうかを確認するため、一度庫内温度計で温度を計ってみることをおススメします。

最後に、「分割」「丸め」「成型」では生地を引っ張ったり、引きちぎったり、めん棒を当て過ぎたりして、生地を痛めないように気をつけましょう。生地を優しく扱い、丁寧に作業することで、パンは更に美味しく仕上がります。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※衛生面および保存状態に起因して食中毒や体調不良を引き起こす場合があります。必ず清潔な状態で、正しい方法で行い、なるべく早めにお召し上がりください。また、持ち運びの際は保存方法に注意してください。

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