「笑い閻魔」を拝観

さて、先ほど歩いてきた県道をもう少し先まで足をのばしてみましょう。右手に円応寺というお寺があります。

円応寺のご本尊は、仏師・運慶の作と伝わる「閻魔大王座像」(国重文)。「笑い閻魔」の別名を持つ、素晴らしい仏像です。
閻魔大王座像(円応寺)

閻魔大王座像(円応寺)

病気で瀕死の状態になった運慶が、閻魔大王の前に引き出され、次のようにいわれます。

「おまえは彫刻が上手だから、人々が悪事をはたらかぬよう、現世に戻り、わしの恐ろしい姿を彫刻して見せてやれ。」

生き返ることができた運慶は大喜び。笑いながら彫刻したので、どことなく笑っているような表情になり、「笑い閻魔」の別名がついたと伝わります。

本堂には、閻魔大王のほか、亡者が冥界において出会う「十王」がまつられています。(十王像のうち、鎌倉彫刻の優品として名高い初江王座像(しょこうおうざぞう・国重文)は、鎌倉国宝館に寄託中)

<DATA>
■円応寺
住所:鎌倉市山ノ内1543
アクセス:JR「北鎌倉駅」徒歩16分
地図 → https://goo.gl/maps/l1LfW
法事等が入った場合、拝観できないことがあります。
仏像の写真は寺院の許可を得て撮影。通常は撮影不可。

鎌倉らしい景観「切通し」を抜けて

今度は、先ほど歩いてきた県道を、北鎌倉駅のほうへ少し引き返します。
亀ヶ谷坂切通し

亀ヶ谷坂切通し

建長寺から、やや北鎌倉駅寄りに、長寿寺というお寺があります。このお寺の手前の細道が「亀ヶ谷坂切通し(かめがやつざかきりどおし)」の道。

「切通し」というのは、山に囲まれた鎌倉で、人や物の往来をしやすくするために、山を人工的に掘削して開いた道のこと。「亀ヶ谷坂」は、山ノ内(北鎌倉)を経由して、武蔵・上州方面へと通じる街道でした。

急坂なので、坂を登ってきた亀がひっくり返って「亀返坂」、または、途中であきらめて帰って「亀帰坂」ともいわれたのだとか。
薬王寺は桜の穴場スポット

薬王寺は桜の穴場スポット

崖と崖の間のいかにも「切通し」らしい道を歩いて坂を越えると、途中からは住宅地の中の道になります。道沿いには、徳川家ゆかりの寺で桜の穴場スポット「薬王寺」や、頼朝の娘・大姫(おおひめ)を供養する地蔵をまつる「岩船地蔵堂」などの見所があります。

薬王寺や岩船地蔵堂については、こちらの記事が参考になります。

北鎌倉~鎌倉散策 季節の花やお寺をたどる穴場コース