亀ヶ谷坂切通

長寿寺の横から、亀ヶ谷坂切通へ。緑に包まれた坂道を、登っていきましょう。
亀ヶ谷坂切通

亀ヶ谷坂切通。今では舗装されています


「切通」は、三方を山に囲まれた鎌倉のまちの、丘陵の一部を堀り割ってつくられた道。

ここは、中世の鎌倉で主要だった切通「鎌倉七口(ななくち)」の1つです。昔、建長寺の池にいたカメが、「たまには広い世界を見てみたい」と坂を登り始めたものの、あまりに急で引き返してしまったとか。「亀帰坂」が、いつしか亀ヶ谷坂と呼ばれるようになったといいます。

現在は舗装されており、往時よりは、傾斜もなだらかなのだそう。一番上の峠で、ほっと一息。涼しい風が吹き抜けます。ここから坂を下り、鎌倉側へ抜けましょう。


薬王寺 ~大きなお姿の日蓮上人像

坂を下りていくと、右手に日蓮宗の薬王寺(やくおうじ)があります。
薬王寺

亀谷坂切通のそばにある薬王寺

境内に入ってすぐ右手に、徳川三代将軍・家光の弟、駿河大納言忠長の墓といわれる立派な石塔があります。江戸時代には徳川ゆかりのお寺となって寺紋にも三葉葵が用いられ、一般の住民の埋葬は許されない格式高いお寺だったそう。
駿河大納言忠長の墓

駿河大納言忠長の墓


ご本尊の日蓮上人の像はとても大きく、本物の袈裟が着せられているとか。一喝しているような、険しいお顔の説法像。空いた口に歯と舌が見える、珍しい像です。最初、江戸のお寺にあったのですが、大きな像なのでどこもお守りするのが難しく、こちらで安置することになったということです。
薬王寺の日蓮像

薬王寺の日蓮像


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■薬王寺
住所:鎌倉市扇ガ谷3-5-1
TEL:0467-22-3749
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岩船地蔵堂 ~源頼朝の娘・大姫ゆかりのお地蔵さま

岩船地蔵堂

悲しい伝説の残る大姫ゆかりの岩船地蔵堂

さらに道を下りていくと、岩船地蔵堂前に出ます。晴れた日なら、扉に設けられた細い隙間から、中を覗かせていただくと、中に優しい顔のお地蔵さまが見えます。

源頼朝の娘・大姫の守り本尊といわれています。人質として頼朝のもとに差し出されていた木曽義高と兄妹のように仲睦まじく遊んでいたのですが、義高は勢力争いから頼朝に殺されてしまいます。その後を追うように、まだ6歳ほどだった大姫も、病気で亡くなったと伝えられます。

そんな悲劇の道を歩んだ大姫の心を、やさしく励ましてきたお地蔵さまなのでしょうね。