鎌倉の冬旅の魅力と見どころ

冬は観光という意味ではオフシーズンですが、冬ならではの良さがあり、古都・鎌倉の散策にはとても良い季節です。
冬の夕方、稲村ヶ崎から見た江の島と富士山

冬の夕方、稲村ヶ崎から見た江の島と富士山

 
文化都市・鎌倉ならではの美術館を巡ったり、静かなお寺の境内で、ゆったりと庭に咲く花や仏像を拝観したり、大気の澄み渡った冬ならではの雄大な景色や海を眺めたり。
 
冬の鎌倉旅の魅力を味わえる厳選4プランをお届けします。
 
【目次】  

プラン1 鎌倉の美術館巡り

昔からたくさんの芸術家が暮らした鎌倉には、小さなものも含め、街中に数多くの美術館がありますが、その代表格が神奈川県立近代美術館。 

神奈川県立近代美術館は、以前は「葉山館」(三浦郡葉山町一色)、「旧鎌倉館」(鶴岡八幡宮境内)、「鎌倉別館」(鎌倉市雪ノ下)の三館体制でしたが、2016年3月に「旧鎌倉館」が閉館し、現在は「葉山館」、「鎌倉別館」の二館体制になっています。
2016年3月に閉館した「神奈川県立近代美術館 旧鎌倉館」は、現在、鎌倉をテーマに歴史・文化・自然などを紹介する「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」になっている

2016年3月に閉館した「神奈川県立近代美術館 旧鎌倉館」は、現在、鎌倉をテーマに歴史・文化・自然などを紹介する「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」になっている

 
2019年10月にリニューアルオープンした「神奈川県立近代美術館 鎌倉別館」

2019年10月にリニューアルオープンした「神奈川県立近代美術館 鎌倉別館」


「鎌倉別館」は、2017年9月から改修工事にともない休館していましたが、2019年10月にリニューアルオープン。現在、リニューアルオープン記念展「ふたたびの『近代』」を開催しています。

学芸員の西澤晴美さんに、見どころなどをうかがいました。
 
「当館のコレクションは、日本の近代美術を中核とし、およそ15,000件という国内有数の規模を誇ります。今回の記念展では、コレクションの名品というべき選りすぐりの作品を展示するとともに、当館では『近代』を幕末から現代まで幅広くとらえていることから、年代の古い日本画や、新しいインスタレーション作品も加えた展示にしました」 
ライトをLEDスポットライトにし、壁も白を基調とするなどリニューアルが図られた展示室

ライトをLEDスポットライトにし、壁も白を基調とするなどリニューアルが図られた展示室


中でも目玉と言うべきなのは、展示室に入ってすぐ正面に展示されている、美術の教科書などでもお馴染みの、松本竣介作の《立てる像》、岸田劉生(りゅうせい)作の《童女図(麗子立像)》です。
松本竣介《立てる像》(画像提供:神奈川県立近代美術館)

松本竣介《立てる像》(画像提供:神奈川県立近代美術館)

 
岸田劉生《童女図(麗子立像)》(画像提供:神奈川県立近代美術館)

岸田劉生《童女図(麗子立像)》(画像提供:神奈川県立近代美術館)

 
このほか、山口蓬春(ほうしゅん)や鏑木清方(かぶらぎきよかた)など鎌倉・湘南エリアにゆかりの深い画家の作品も見どころになります。

また、今回のリニューアルでは、庭園の屋外彫刻を眺められるカフェなども増設しました。カフェでは「旧鎌倉館」で人気だった、特製プリンも食べられます。
新設されたカフェからは庭園の屋外彫刻も見られる

新設されたカフェからは庭園の屋外彫刻も見られる

 
カフェでは「旧鎌倉館」で人気だった、特製プリンも食べられる

カフェでは「旧鎌倉館」で人気だった、特製プリンも食べられる

 
西澤さんは、「東京の美術館のように混んでいないので、ゆったりとアートをご覧頂けます。鎌倉散策の途中にでも、ぜひお立ち寄りください」と、鎌倉の美術館の良さについて話されました。

<DATA>
■神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
所在地:鎌倉市雪ノ下2-8-1
開館時間:9:30~17:00(最終入館16:30)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館)、年末年始等
地図 → Googleマップ
ホームページ → 展覧会情報等
リニューアルオープン記念展「ふたたびの『近代』」は、2020年1月19日(日)まで
 
このほか、鎌倉には様々な美術館・博物館があります。以下、主なものを列挙します。
   

プラン2 冬ならではの絶景を眺めに

大気が澄み渡り、地平線・水平線までも見渡せる冬は、絶景を眺めるチャンス!
 
周囲を海と山に囲まれた鎌倉には、いくつかのハイキングコースがあり、コースの途中には、絶景を楽しめる展望台があります。
 
残念ながら鎌倉のハイキングコースは、台風15号の影響で、その多くが現在(2019年12月7日時点)も立ち入り禁止となっていますが、以下で紹介する「パノラマ台」「六国見山展望台」は通常通り立ち入ることができます。
 
また、鎌倉のお隣の観光地・江の島の展望灯台「シーキャンドル」を中心に行われるイルミネーションイベント『湘南の宝石』や、海辺の散歩もオススメです。

【パノラマ台】360度、遮るものがない絶景!
鎌倉市と逗子市の市境にまたがるハイランド住宅地のはずれに広がる「鎌倉市子ども自然ふれあいの森」。この自然豊かな森の小高い丘の頂上に設置されているのが、その名も「パノラマ台」という、木造の小さな展望台。
「パノラマ台」から眺めた鎌倉市街地と海(2019年11月24日撮影)

「パノラマ台」から眺めた鎌倉市街地と海(2019年11月24日撮影)


標高こそそれほど高くはありませんが、周囲の眺望を遮るものがほとんどなく、グルリ360度、鎌倉と逗子の街並みや海、そして、冬は富士山も一望することができます。

<DATA>
■パノラマ台
アクセス:鎌倉駅または逗子駅よりハイランド循環バス 「夕陽台公園」下車徒歩10分
地図 → Googleマップ

【六国見山展望台】鎌倉を取り巻く峰々の雄大な眺望
鎌倉は南を海、それ以外の三方を山に囲まれた地形。鎌倉を囲む峰々の最も外側に位置する「六国見山展望台」からは、都心からそれほど遠くない鎌倉とは思えないような、雄大な眺望を楽しむことができます。
相模、武蔵、安房、上総、下総、伊豆の六国を見渡すことができたのが名前の由来とされる「六国見山展望台」からの眺望(2019年11月24日撮影)

相模、武蔵、安房、上総、下総、伊豆の六国を見渡すことができたのが名前の由来とされる「六国見山展望台」からの眺望(2019年11月24日撮影)


左手から中央にかけて広がっているのが鎌倉の市街地。右手にこんもり盛り上がって見えるのが源氏山です。

<DATA>
■六国見山展望台
アクセス:大船駅東口よりバス「高野台」行、終点「高野台」で下車し、登山口よりハイキングコース経由約10分。北鎌倉側からの登山道もあり。
地図 → Googleマップ

【江の島シーキャンドル】関東三大イルミネーション
鎌倉のお隣の観光地・江の島では、冬の間、関東三大イルミネーションの一つにも認定され、「江の島 シーキャンドル(展望灯台)」などを彩るライトアップイベント『湘南の宝石』が行われています。
『湘南の宝石』(2019年11月28日撮影)

『湘南の宝石』(2019年11月28日撮影)


『湘南の宝石』は、2019年11月23日(土・祝)~2020年2月16日(日)までの日程で開催です。詳しい情報は、下記の記事をご覧ください。

冬こそ江ノ島!冬は絶景・イベント盛りだくさん
 
【海辺の散歩】写真を撮るなら冬の朝夕がオススメ
鎌倉と言えば、やっぱり海。冬の朝夕に、西の方角を望むと、海にポッカリ浮かぶ江の島や、その向こうに富士山がことのほか美しく見えます。
 
冬の早朝の江の島と富士山

冬の早朝の江の島と富士山

 
冬の夕方、稲村ヶ崎から見た江の島と富士山

冬の夕方、稲村ヶ崎から見た江の島と富士山


写真を撮影するなら、オススメのポイントは稲村ガ崎公園です。すぐ近くには、天然温泉が湧く「稲村ヶ崎温泉」もあるので、冷えた体を温めてから帰りましょう。

<DATA>
■稲村ガ崎公園(鎌倉海浜公園稲村ガ崎地区)
アクセス:江ノ電「稲村ヶ崎駅」徒歩4分
地図 → Googleマップ
 

プラン3 冬の花々と出会いに

鎌倉のお寺や神社では、四季を通じて様々な花を見ることができますが、さすがに真冬は花も少なくなります。しかしながら、まったく花がないかというとそうでもありません。

緑少ない中に静かに、凛として花を咲かせる真冬の花々を見に行ってみましょう。

【鶴岡八幡宮】冬牡丹
冬牡丹(鶴岡八幡宮)undefined1月上旬撮影

冬牡丹(鶴岡八幡宮) 1月上旬撮影


鶴岡八幡宮の源氏池のほとりには、約2000本の牡丹(ぼたん)を集める「神苑ぼたん庭園」があり、正月の初詣の頃から2月にかけて、冬牡丹(ぼたん)が大輪の花を咲かせます。

通常、牡丹は春先に花を咲かせますが、薦(こも)の覆いの中で花を咲かせる冬牡丹は世界的にも希少なものとのこと。

<DATA>
■鶴岡八幡宮
住所:鎌倉市雪ノ下2-1-31
アクセス:JR「鎌倉駅東口」徒歩10分
地図 → 鶴岡八幡宮ホームページ「交通案内」
ホームページ → 鶴岡八幡宮ホームページ

【浄智寺】蝋梅(ロウバイ)・水仙
蝋梅(浄智寺)undefined1月中旬撮影

蝋梅(浄智寺) 1月中旬撮影


蝋細工のような不思議な見た目の黄色い花をつける蝋梅(ロウバイ)。北鎌倉の浄智寺には比較的大きな木があり、古寺の建物の茅葺き屋根によく映えます。

<DATA>
■浄智寺
住所:鎌倉市山ノ内1402
アクセス:JR「北鎌倉駅」徒歩8分
地図 → Googleマップ
参考ページ → 鎌倉紀行 浄智寺

【瑞泉寺】水仙・福寿草
水仙(瑞泉寺)undefined2月上旬撮影

水仙(瑞泉寺) 2月上旬撮影


鎌倉を代表する「花の寺」瑞泉寺では、水仙が陽だまりの中で日向ぼっこしています。なお、瑞泉寺は梅の名所としても知られますが、瑞泉寺の梅が咲き始めるのは、やや遅めで、例年3月に入ってから見頃を迎えます。

<DATA>
■瑞泉寺
住所:鎌倉市二階堂710
アクセス:JR「鎌倉駅東口」4番のりばから京急バス「大塔宮」行き「大塔宮」下車徒歩15分
地図 → 瑞泉寺ホームページ「地図・アクセス」
ホームページ → 瑞泉寺ホームページ

【海蔵寺】水仙・福寿草
福寿草(海蔵寺)undefined1月下旬撮影

福寿草(海蔵寺) 1月下旬撮影


海蔵寺も一年を通じて花が多く、いつ訪れてもお庭がきれいに手入れされていて、とても気持ちの良いお寺です。冬は水仙や福寿草などを見ることができます。福寿草の鮮やかな黄色がきれいですね。

<DATA>
■海蔵寺
住所:鎌倉市扇ガ谷4-18-8
アクセス:JR・江ノ島電鉄「鎌倉駅西口」徒歩20分
地図 → Googleマップ
参考ページ → 鎌倉紀行 海蔵寺

【江の島】ウインターチューリップ
冬の江ノ島を彩る冬咲きのチューリップ

冬の江ノ島を彩る冬咲きのチューリップ


「江の島 サムエル・コッキング苑」では、毎年12月下旬から1月の下旬にかけて、2万本以上のチューリップが花を咲かせます(江の島ウィンターチューリップ)。球根を冷蔵保存し、春の到来を錯覚させて花を咲かせるのだそうです。

<DATA>
■江の島 サムエル・コッキング苑
住所:藤沢市江の島2-3
アクセス:江ノ島電鉄江ノ島駅より徒歩約25分
地図 → 江の島 サムエル・コッキング苑ホームページ地図
 

プラン4 冬の催事・イベントを楽しむ

四季を通じて大小さまざまな祭事が行われる鎌倉。冬に行われる鎌倉らしい祭事をいくつかご紹介します。

【初えびす・本えびす(本覚寺)】
初えびす(本覚寺)undefined写真提供:鎌倉市観光協会

初えびす(本覚寺) 写真提供:鎌倉市観光協会


本覚寺は、鎌倉駅からほど近いお寺。境内には、「鎌倉・江の島七福神めぐり」でお参りする「夷(えびす)神」をまつる夷堂があります。

これにちなみ、正月三が日に開かれる「初えびす」と10日の「本えびす」は多くの人々でにぎわい、美しく着飾った福娘たちによって、縁起物が販売されます。
 
初えびす(本覚寺)

初えびす(本覚寺)


また、その隣では、本覚寺名物の御守り「にぎり福」が売られています。小さな粘土でできたこの御守りは、愛・健・財・学・福の5つの種類があり、一日一回祈りを込めて、てのひらでギュッと握るとご利益があるとされます。
 
にぎり福

にぎり福


手作りだから、一つ一つ表情が違うので、これは! と思うものを選んでみてください。

<DATA>
■本覚寺
住所:鎌倉市小町1-12-12
アクセス:JR「鎌倉駅東口」徒歩3分
地図 → Googleマップ
参考ページ → 鎌倉紀行 本覚寺

【筆供養(荏柄天神社)】
筆供養(荏柄天神社)

筆供養(荏柄天神社)


鎌倉で学問の神様といえば、荏柄(えがら)天神社。受験シーズンは、多くの受験生でにぎわいます。

境内では、年明けて間もなくの毎年1月25日、古筆や鉛筆を燃やし、学力の向上と文字の上達を祈願する「筆供養」という行事が行われます。

この頃になると、朱色の社殿両側の紅白の梅が、少しずつほころびはじめます。日に日に近づく春の足音が聞こえるようです。

<DATA>
■荏柄天神社
住所:鎌倉市二階堂74
アクセス:JR「鎌倉駅東口」4番のりばから京急バス「大塔宮」行き「天神前」下車徒歩1分
地図 → Googleマップ
参考ページ → 鎌倉紀行 荏柄天神社

【大国祷会(長勝寺)】
大国祷会(長勝寺)

大国祷会(長勝寺)


長勝寺境内で、毎年、2月11日に行われるのが「大国祷会成満祭(だいこくとうえじょうまんさい)」。厳寒の空の下、日蓮宗の修行僧たちが頭から冷水を浴びる荒行は、鎌倉の冬の風物詩。

修行僧たちは前年の11月から千葉県の法華経寺で、100日間、1日2回の粥(かゆ)だけの食事と1日7回の水行による修行を終え、この日、長勝寺に戻り、国体安泰と世界平和を祈りながら、修行の仕上げを行うのです。

前のほうの列で見ていると、水しぶきが飛んできて、すごい迫力です!

<DATA>
■長勝寺
住所:鎌倉市材木座2-12-17
アクセス:JR鎌倉駅よりバス緑ヶ丘入口行 「長勝寺」下車徒歩2分
地図 → Googleマップ
参考 → 鎌倉紀行 長勝寺

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