30分に短縮すると280日の自由時間が余分に手に入る
通勤時間は、自分の時間を会社に無償で提供することです。現在の片道の平均通勤時間56分を30分に短縮したとします。
1日につき、往復で56分の自由時間が捻出できます。
(26分×2=56分)
1か月につき、1120分つまり約18.7時間、自由時間が増えます。
(56分×20日=1120分)
1年につき、224.4時間つまり9.35日分の自由時間が手に入ります。
(18.7時間×12か月=224.4時間)
現在35歳の人が65歳の定年退職まで30年通勤すると、280.5日余分に自由な時間が過ごせるのです。
(9.35日×30年=280.5日)
280日分のまとまった自由時間があれば、相当のことができるように思いませんか?
予算を増やさず通勤時間を短縮する3つの方法
でも、悩ましいのは、通勤時間と住宅の価格・広さはトレードオフの関係にあることです。一般的に職場は都心に近いところにありますので、ドアツードアで30分の通勤時間となると、実際には乗車時間は20分程度、東京(千代田区、中央区、港区)なら吉祥寺、神奈川(横浜市)なら川崎、埼玉(大宮市)なら川口、千葉(千葉市)なら浦安くらいのところとなります。
購入予算をかえずに、通勤時間を30分にとどめるには、3つの方法があります。
1. 新築ではなく中古を選ぶ
中古のなかでも築30年より古いものの平米単価は新築の半分くらいに下がります。リノベーションで室内はいかようにも新しくなります。
2. ターミナル駅から支線で1駅を選ぶ
急行停車駅やターミナル駅は便利な分、住宅価格も高い半面、支線に乗り換えて1駅のところなら約2割程度安くなることもあります。
3. 1部屋分の広さをあきらめる
1部屋はだいたい3坪(9.9平米)。東京都区部の平均平米単価は90万円(2014年4月度)です。1部屋少なくすると約900万円予算を減らすことができます。
(90万円×9.9平米=891万円)
住み方実態をみると、3LDKのひと部屋は物置化しており、実際はひと部屋少なく暮らしている家庭が多くみられます。不要なものを置かない暮らし方にかえれば、ひと部屋分減らすことは案外できるものです。
都心へむけて縮小する東京圏、現実味をおびる通勤時間30分
空家の増加が日本の新たな住宅問題になっています。都心から30~40キロ圏では20パーセント、20~30キロ圏では15パーセント、10~20キロ圏では13と、都心から遠くなるにつれ空家率も高まっていきます。郊外になればなるほど、住宅を買う人、借りる人が少なくなっており、マンショ立地はかぎりなく20キロ圏内に収れんされつつあるのです。高度成長で郊外に向けて拡大してきた東京圏が、少子高齢化、経済のグローバル化に伴い、徐々に都心に向けて縮小していっているのです。
こうした長期的動向も視野に入れると、「通勤時間の理想は30分」はにわかに現実味を帯びてくるのではないでしょうか。