個住に適した間取り例
一戸建ての実例を紹介しましたが、もちろんマンションも個住に向く住まいです。下図は個住に適した間取りの例です。ポイントは次のとおりです。
- 家族人数分の居室がある
- 顔を合わせる機会が少ないからこそ、家族が集まりやすい位置にダイニング・リビングのスペースを確保する
- できれば、主婦の趣味スペースがある
「個住」が増える理由
30代前半の男性は2人に1人、女性は3人に1人が独身です。晩婚化により未婚の時期が長くなれば、親元で暮らす時期も長くなるはずです。更には生涯未婚者の増加が予測されていますので、確実に個住化はこの先も進むでしょう。20、30代の若年層で非正規雇用が増え、独立したくても経済的に厳しいという経済上の理由から親との同居を続ける単身者も増えています。実際、単身者のうち親元に同居しているのは男性73.3パーセント、女性では78.8パーセントと高い割合をしめしています。しかも年々同居する割合は増えているのです。
また、少子化により夫婦と子ども一人の3人という小家族の割合は決して少なくありません。個住化には各自の居室が必要ですから、家族数が多いとその分広い住まいが必要で住居費も高くつきますが、3人家族程度なら70平米前後の広さがあれば対応可能です。そのため個住の垣根はそれほど高くはありません。
個住はこれからの住まいのひとつのあり方だと思われます。