子ども部屋は家のなかで一番条件の良い部屋
家のなかで一番条件の良い、南向きの明るい部屋はたいてい子ども部屋です。高校生、大学生ともなると、大人並みに自分の生活が確立されており、親といえども不用意に、中には入っていけません。和風好きの男子高校生は、畳にこたつを愛用、ピンク好きの女子大生は、カーテン、ベッドカバー、クッションなどのファブリックはすべてピンクというようにインテリアの好みもはっきりしています。
個住化する条件
このような住み方の実例をみていくと、個住化するには、いくつかの条件がありそうです。私なりに整理してみると次のようになります。●条件1、子どもが高校生以上の家庭
家族ひとりひとりが、ある程度自分のことは自分できる家事能力や自立性が備わっていることが基本条件です。したがって、子どもは高校生以上の家庭ということになるでしょう。
誰かに依存しなければ、日常生活が送れないという家族がいれば個住化は進みません。
●条件2、それぞれがやるべきこと、やりたいことがある
仕事や趣味などそれぞれに生きがいをもって取り組むものがあってこその個住化です。何もすることがなく、無目的な生き方には個の独立は難しいでしょう。
●条件3、ゆるやかな個人主義が浸透している
お互いを尊重し、過度な干渉はしない、迷惑をかけない、という家族個々人の自由と責任についての意識が共有されている
●条件4、各自の居室が確保できる住いである
家族それぞれに個室が必要です。また、主婦の趣味のスペースなどが加わることもあります。したがってある程度の広さが必要です。
個住に適した間取り例……次のページ