マーケティング/マーケティング事例

スターバックスが快進撃を続ける真の理由とは?(3ページ目)

先日発表された2014年3月期の決算で過去最高の売上と利益を計上するなどスターバックスの快進撃が止まりません。爆発的なヒットを記録しているコンビニのコーヒーに顧客を奪われることなく、利用客数は増え続けているのです。このスターバックスの好調の秘密はどこにあるのか?広報部長の足立紀生氏に直撃取材を敢行しました!

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

商品力だけではないスターバックス成長の秘密

スターバックス

スターバックスの店舗ではマニュアルにはない“最高の体験”が追求される

スターバックスが快進撃を続けるのはコーヒーやフラペチーノなどの商品力だけではありません。実のところ商品力だけで顧客をつなぎ止めるのは困難を極めるといっても過言ではないでしょう。なぜなら、外食産業の敷居は低く、どんな商品を開発しても売れればすぐに同じような商品を他社が販売し始めるからです。実際にバナナを使用したフラペチーノの販売直後、大手のファストフードチェーンでもバナナとチョコを使ったラテやスムージーが期間限定で発売されるなど、似たような商品の展開がありました。

つまり、スターバックスの成長には商品以外の重要な秘密があり、それは、“店内での最高の体験”ということができるでしょう。

スターバックスは、店舗を“サードプレイス”と位置付け、お客様にとって自宅と職場や学校に次ぐ“第3の場所”として快適に過ごしてもらうことを目指しています。そのためにパートナーはどうすればお客様に喜びを与えることができるかを自分の頭で考え実践しているのです。

そう、スターバックスには接客マニュアルが存在しないのです。

パートナーは、来店されるお客様の表情や会話から「今、何を望んでいるのか?」を推測しお勧めするなど、お客様が店内で“最高の体験”ができるよう努力を惜しみません。そこには、よくありがちな企業の視点からの販促商品を無理に薦める“プロモーション”ではなく、いつも通ってくれるお客様が気に入るであろう商品をさりげなく伝えるという“コミュニケーション”が重要視されているのです。常に『顧客満足を高める』という観点から大切なゲストとして扱われれば、嫌な気持ちになるお客様など一人もいないでしょう。

このようにスターバックスが提供する“環境”に非常に大きな価値を感じ、「コーヒーを飲むならスターバックスでなければならない」と強い想いを抱くファン客が一人また一人と増えていくことがスターバックスを成長に導く原動力となっているのです。

今後もスターバックスが“商品力×店舗での感動力”を軸にしていくのなら、より多くのファン顧客の支持を得て成長し続けることは間違いないでしょう。
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