マーケティング

長澤まさみさんのかわいさが話題!CMの見どころから読み解くメルカリの戦略

大好きなおトクと聞いて「トクトク」とときめいている長澤まさみさんがかわいいと話題のあのCM、長澤さんが「トクコ」さんに決まった“納得”の理由とは? 話題の真相に迫るべく担当者を取材、気になるCMに秘められた「戦略」を解説します。

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

人気女優の長澤まさみさんが、大好きなおトクに対して「トクトク」とときめく姿とハートの演出が“かわいい”と好評のCM、気になっている人も多いのではないでしょうか。堺雅人さんとの楽しい掛け合いでも話題の「メルカード」 のこのCM、実はマーケティング目線でも注目のポイントがあります。

そこで今回は、株式会社メルペイのFintech Growth部・原 央介さんを取材。その内容をもとに、マーケティングガイドの筆者がCMに秘められた「戦略」について解説します。
 

長澤まさみさんの表現力が魅力的なCM

CM

“ときめく長澤さんがかわいすぎる!”と話題(画像提供:メルカリ)


――「トクコ」さんの名前の由来は?
原さん:メルカリは、個人にとってはおトク(得)に取引でき、社会にとっては使わなくなったものを捨てずに必要な誰かに譲り渡すこと(徳)に貢献しうると考えています。共通する「トク」を伝える手段として、見る方にとっても愛着を持ってもらえるよう、長澤さん演じる登場人物の名前を「トクコ」さんとつけました。また、好きなものに対して心臓が弾む鼓動の「トクトク」と、通ずる点もあります。
 
――長澤さんと堺さんを起用した理由は?
原さん:お二人とも世代を問わず愛され、ドラマや映画でも観る人が引き込まれる演技をされている日本のトップ俳優です。今回伝えたい「人と人がつながるやさしい世界観」にマッチしているので、出演をお願いしました。堺さんが好きなものをイキイキと語り、長澤さんの胸が弾む。そのイメージがピッタリなので、迷わず「メルオ」さんと「トクコ」さんというキャラクターを決めました。
 
――お二人が友達設定な理由は?
 原さん:メルカリが目指しているのは、一人ひとりが自分らしく、やりたいことを実現できる世界です。既存の人間関係などにとらわれず、メルカリを通じてつながる友だちという関係が、自由な関係や価値観を表現できるのではと考えました。
 
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お二人の仲のよさがうかがえます(画像提供:メルカリ)

 
――CM撮影の裏話を教えてください!
原さん:お二人は大河ドラマで共演されていたこともあり、撮影前のやりとりから互いの演技に対するリスペクトが感じられました。実際撮影が始まると、誰もが分かるくらい息のあった演技をしていただき、伝えたいことを最大限表現していただけました。

特に、堺さんがサービスを紹介し、長澤さんが大好きなおトクに反応するシーンは、本気で楽しんでいるようにしか見えませんでした(笑)。いずれのCMも、終盤にかけて盛り上がっていくシーンが、まさにアドリブのようなやりとりで一番の見どころだと思います。

――CMの反響は?
原さん:本当にいい反響しかないですね。“大好きな俳優さんを使っていただきありがとうございます”であったり、大河ファンの方からも喜んでいただいたり、TVCMを観て実際にメルカードを申し込んでいただいたりと、ものすごく魅力的なお二人と撮影に関わっていただいた方々に感謝です。
 

ブームに乗り、リユース市場拡大が続く理由

なぜ「おトク」なリユース市場は、年々拡大の一途をたどっているのでしょうか。1つは、環境に配慮しながら持続可能な成長を目指すSDGsが社会的に広がったからでしょう。また、物価の高騰により、新品よりもリーズナブルな中古品を求めるニーズの高まりも要因としてあげられます。

さらに、ミレニアム世代やZ世代を中心に、製品を所有する『モノ消費』よりも、体験を重視する『コト消費』に重きを置く傾向があります。そのため、かつてのステータスであったハイブランドではなく、自分の価値観に応じたコスパの高いものを購入するようになりました。

このようなライフスタイルの変化の波に乗り、2009年に1.1兆円だったリユース市場は、2021年には2.7兆円にまで拡大。2022年には3兆円の大台に乗ることが見込まれています。(『リサイクル通信』リユース業界の市場規模推計2022)

時代の流れに乗り、成長著しいリユース市場の中で、CtoC(個人間取引)マーケットにおいて大きな存在感を示すメルカリ。次々と話題のサービスを展開してユーザーを魅了し、フリマアプリでは他を寄せ付けない圧倒的なシェアを誇っています。
 

ワクワク感が伝染するメルカリCMの戦略

そんなメルカリが新サービス『メルカード』のプロモーションに起用したのが、今や国民的俳優となった長澤まさみさんと堺雅人さん。まずは有名俳優二名の豪華共演で、注目を集めます。加えて、長澤さん演じるトクコさんの“おトクにときめく演技”で魅了。衣装や演出を含めその“かわいい”イメージと、長澤さんと堺さんの楽しいやりとりから、『メルカード』を使って生活費の節約をしたり、ちょっとしたお得な体験でプチぜいたくをしたり、日常のワクワク・ドキドキ感を視聴者に共有することに成功しているのでしょう。
 
プロモーションの世界では古くから『AIDMA』というプロセスが重要視されていますが、『メルカード』の新CMはまさにAttention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)のセオリーに則った事例といえます。

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