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麿赤兒 天賦典式公演『ムシノホシ』インタビュー!(5ページ目)

麿赤兒率いる大駱駝艦が、二年ぶりとなる天賦典式公演『ムシノホシ』を敢行! 麿赤兒を筆頭に、総勢21名の舞踏家を引き連れ新たな荒海を目指します。ここでは、開幕に先駆け創作にあたる麿赤兒さんにインタビュー! 作品に寄せる想いをお聞きしました。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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音楽家には尺八の名手で作曲家の土井啓輔さんと、
デトロイト・テクノを代表するジェフ・ミルズさんが招かれています。

麿>土井さんには作曲を頼んでいて、隠し味として尺八も入れてくれるようお願いしています。やっぱり尺八って我々日本人にとって、ある程度聞き慣れてるものですよね。我々の心、感性をふっと惹きつけていくものがある。横笛とか太鼓とか、伝統的なものは特にそうですけど、ある種の音質、持ってる時間というものがある。花鳥風月のものの哀れのようなものがあるというか……。それも詐術で、ふわっと聞こえたところにダン!ととんでもないものを持ってきたり、電子音との掛け合わせがあったり、ヘンな衝突も起きたりする。

ジェフ・ミルズは電子音が多いけど、結構アナログなところもあって。僕の視点からいうと、彼は昆虫だと思ってるんです(笑)。我々の聞こえないもの、人間の範疇では聞こえないものが聞こえていて、それをたまたま音楽に変換してる。宇宙からの交信を変換してるトランスメッセンジャーじゃないけど、一種の変換装置というか、なんかそんな風に映るんですよね。でも本人にそう言うと、違うって言われるんですけど(笑)。

彼に限らず、みんなそういう変換装置は持っていて、絵にしたり、踊りにしたりしてる。音楽家でも芸術家でも何でもいいけど、どう自分の中でトランスミッションしていくか、トランスした形で出てくるか。同じ人間を見ても、ピカソみたいに見えるひともいるし、どこかでトランスしてると思うんです。感性や知性も全て含めた形で、“オレにはこう見える”っていうものがある。またそれにより、そのひとの持っている何かが少しずつ見えてくる。何であれがこんな風に見える訳? っていう回路を探っていくと、それぞれのひとが持ってるものになると思うんです。

ph

2007年『カミノベンキ』 撮影:松田純一



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