高額なスポンサー費
企業をひきつけるビッグイベント
世界にはたくさんのスポーツがある。野球、バスケットボール、アメフト、テニス、ヨットなど。インドのクリケットのようにある国で圧倒的な人気があるスポーツもある。多くのスポーツの中で、サッカーは世界中でもっとも人気のあるスポーツと言っても良いだろう。2002年、ワールドカップ日韓大会の時には各社約80億円(15社)だったワールドカップスポンサー費。2010年の南アフリカ大会では各社約330億円(6社)にまで上昇した。単価、総額とも上昇している。これはワールドカップに限ったことではない。五輪も同様の傾向を示している。五輪が商業化し始めたのは、1984年のロサンゼルス五輪からだ。1988年と2012年の五輪を比べてみると一目瞭然だ。1988年に9600万ドルだったスポンサー費は、2012年には9億5700万ドルと、約10倍に上昇している。当然ながら、スポンサー1社あたりのスポンサー費も上昇しているのだ。
このような状況にも関わらず、大手企業はなぜスポンサーをやめないのだろうか。理由は3つある。
高額なワールドカップにスポンサーが飛びつく理由1
<グローバル化する市場>
最初に述べた通り、サッカーほど全世界で親しまれているスポーツはない。ボール一つあれば、発展途上国も先進国も関係ない。経済・市場がますますグローバル化する中で、大手企業になればなるほどグローバル市場を目指すのは必然だ。その時に、サッカーはもっとも多くの人の認知度を得るための手段として最適なのだ。高額なワールドカップにスポンサーが飛びつく理由2
<広告効果の変化>
オリンピックのスポンサー数はワールドワイドパートナー(グローバルスポンサー)10社以外に、日本であればゴールドパートナー、オフィシャルパートナーなどがあるように、数多くのスポンサーがついている。では、果たしてどれだけの人がオリンピックのスポンサー企業を覚えているだろうか。コカコーラ、マクドナルド、P&Gなどワールドワイドスポンサーがまず先に頭に浮かび、他のスポンサーはあまり覚えていないという人も少なくないはずだ。ワールドカップのスポンサー数は6社と極めて少ない。だからこそ、ワールドカップにかけたキャンペーンへの注目度は必然的に高くなり人々の記憶に残る確率は高くなる。五輪よりもワールドカップのスポンサーの金額が高くても、スポンサーがつく理由の一つはここにある。
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