モノサシ4
自分のライフスタイルが確立しているか?
自分の暮らしぶりにあった住まいを選ぶのが、マイホームの鉄則です。したがって自分の暮らしぶり、すなわちライフスタイルがきちんと確立されていないと、適切なマンション選びはできません。20代は、憧れや流行に影響され、こんな暮らしあんな暮らしと色々なことを試してみるものですが、そうしたことを通して自分なりの暮らしに徐々に落ち着いていくプロセスを踏むことはとても大事です。都心の緊張感は高いけれど最先端の暮らしか、下町の気楽で庶民的な暮らしか、おしゃれで気のきいたお店もあるし自然も残る準郊外の暮らしかなどなど、自分にあった暮らしぶりが決まらないとマンションは選べません。
また、都心の暮らしに適したマンションを選んでおきながら、ちょっと疲れたから準郊外の暮らしに変えたいと思っても、一度マンションを買ってしまうと、賃貸とは異なり、そう簡単に住み替えはできません。ある程度、私にあったライフスタイルはこれ!と決まらないと、買った後に後悔することもでてくるでしょう。私は30代の前半に本来都心志向のライフスタイルであることに自覚的でなかったため、郊外のファミリー向け大規模マンションを買ったあと、ここには住めない!と、数か月で引っ越すという大失敗をした経験があります。
こうしたことからも、仕事に慣れ、私生活にも少しゆとりが出てくる30代に入ってから、ようやく自分のライフスタイルは決まってくるのではないかと考えます。
ガイド大久保が考える
マンション購入適齢期は、35歳
さて、これまでご説明してきた個人的タイミングを計るモノサシで、ご自分のことをチェックしてみた結果はいかがでしょうか?私は、1~4のモノサシがクリアできるのは、もちろん個人差はありますが、一般的には35歳くらいがひとつの目安ではないか、と思います。まだ購入適齢期に達していない、という方は、勉強のためにモデルルームを見たりするのは良いことだとは思いますが、次回ご説明する社会的タイミングがたまたま良いからという理由で背伸びして購入するのはお勧めしません。住まいを持つ目的は、あくまでも自分の生活の安定的な基盤をつくることですから。
適齢期を過ぎている方で、定年までにローン返済をしたいと考えている方は、社会的タイミングをはかりつつ、早めの購入が人生設計上は安定的です。また、これから子どもの教育費がかさむということでしたら、住宅ローンの返済により、一時的に家計が赤字になる事態も想定されます。そのような状況のなかでマイホームを持つことは、精神的に負担が大きいというのであれば、思い切って子どもが巣立つときに夫婦二人用の住宅を検討するという選択肢もあると思います。
個人的タイミングから計る4つのモノサシをご説明しましたが、次回は、社会的タイミングを計る3つのモノサシをお話します。お楽しみに!
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