マンション購入術/マンション購入関連情報

孤立しない住まい「町家」暮らしと、マンション暮らし(3ページ目)

数年前、私は京都の千本通りから出水通りにちょっと入ったところにある築120年超?の長屋式町家にしばらく住むという経験をしました。今回は町家暮らしの体験を通して、孤立しない住まいの条件について述べてみたいと思います。

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

町家が孤立しない理由

町家暮らしは、住む人が孤立したくてもさせてくれません。なぜなら、

・人間的なやりとりができる下町の商店街
町家は基本的には下町にあり、たいがい商店街が隣接しています。買い物するのに、お店の人と買い手が色々なやりとりをするのでとても人間的です。行きつけの店ができると、お店の人との付き合いはぐっと深まります。

・親切でおせっかいな人が多く住んでいる
3代住み続けている人はめずらしくなく、互いに赤ん坊のころから見知った仲。お互いおせっかいは親愛のしるし。ほうっておいて欲しくても、そうはいきません。

・町内活動から逃れられない
町家には代々積み重ねてきた生活の歴史があります。季節の行事や冠婚葬祭をとても大事にしています。そのため町内会活動が盛んで、それに参加しないなんて考えられない!ことなのです。近隣住民との接触は避けることができません

・暮らしの気配が良く分かる
町家は古い建物なので、当然ですが遮音性は高くありません。隣の人の生活音は筒抜けです。半面音が聞こえなければ、病気ではないか?と心配して様子を見に行くことに自ずとなってきます。75歳以上の高齢になっても住み続けられるというのは、何かあったときに、お隣同士が助け合えるからではないでしょうか。


マンションと町家は対極にある住まい

こうして見てくると、町家暮らしはマンション暮らしとは正反対だと思いませんか?

マンションの周辺の住民との接触はほとんどなく、住む人はどんどん入れ替わる。建物の遮音性が高く、外からの音や上下階、隣の音は聞こえない。プライバシーを重視し、エレベーターに乗り合わせた人に場合によっては挨拶しない、管理組合の総会すら参加しない。

孤立化という点から見ると、マンションの良い点はかえって仇になるのかもしれません。

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