町家が孤立しない理由
町家暮らしは、住む人が孤立したくてもさせてくれません。なぜなら、・人間的なやりとりができる下町の商店街
町家は基本的には下町にあり、たいがい商店街が隣接しています。買い物するのに、お店の人と買い手が色々なやりとりをするのでとても人間的です。行きつけの店ができると、お店の人との付き合いはぐっと深まります。
・親切でおせっかいな人が多く住んでいる
3代住み続けている人はめずらしくなく、互いに赤ん坊のころから見知った仲。お互いおせっかいは親愛のしるし。ほうっておいて欲しくても、そうはいきません。
・町内活動から逃れられない
町家には代々積み重ねてきた生活の歴史があります。季節の行事や冠婚葬祭をとても大事にしています。そのため町内会活動が盛んで、それに参加しないなんて考えられない!ことなのです。近隣住民との接触は避けることができません
・暮らしの気配が良く分かる
町家は古い建物なので、当然ですが遮音性は高くありません。隣の人の生活音は筒抜けです。半面音が聞こえなければ、病気ではないか?と心配して様子を見に行くことに自ずとなってきます。75歳以上の高齢になっても住み続けられるというのは、何かあったときに、お隣同士が助け合えるからではないでしょうか。
マンションと町家は対極にある住まい
こうして見てくると、町家暮らしはマンション暮らしとは正反対だと思いませんか?マンションの周辺の住民との接触はほとんどなく、住む人はどんどん入れ替わる。建物の遮音性が高く、外からの音や上下階、隣の音は聞こえない。プライバシーを重視し、エレベーターに乗り合わせた人に場合によっては挨拶しない、管理組合の総会すら参加しない。
孤立化という点から見ると、マンションの良い点はかえって仇になるのかもしれません。