家賃の支払いとローンの返済は似て非なるもの
家賃を払い続けながら頭金を貯めるのと、頭金ゼロで早く購入するのと、どちらがトクなのか?
万一、景気が悪くなって給料が下がる、会社が倒産する、病気で働けなくなる、といったことで家計が苦しくなった場合を想定してみましょう。
家賃が払い続けられないのなら、もっと安い家賃のところへ引っ越すという対策で切り抜けることができます。でも、住宅ローンの返済は、理由によっては短期的な滞納は認められても、その期間を過すぎてなお支払えなければ、せっかく買ったマイホームは競売にかけられ、手離さなければならないのです。
頭金ゼロで買ったマイホームを売却すると借金だけが残る
そして、手放す際にも、頭金ゼロで買った場合は、売却代金では、ローンの残債が残ってしまうという事態が生じる可能性が高いのです。東京カンテイの調査データによると、頭金ゼロで買った場合、住宅の時価は20年以上にわたり、ローン残高を下回り続けるのだそうです。買ってから20年以内に何らかの理由で売却せざるを得ない場合、借金だけが残ってしまうというのです。
一方、頭金を2割程度支払って買う場合は、大半の期間で、住宅の時価がローン残高を上回り、ローンの完済が可能となるのです。実際に、家を買った後に返済が滞って、保証会社の代位弁済に至った人の比率は0.7%強で、破たん率は頭金2~3割のケースに比べて倍近いのです。
代位弁済に至れば、支払うべき金額を一括返済する、できなければ競売や任意売却で自宅を手離すことになってしまうのです。
買い時=個人的買い時×社会的買い時……次のページ