家庭菜園/野菜別の育て方

みょうがの栽培・手入れ方法・育て方や収穫時期

ミョウガの栽培方法や手入れの仕方、育て方のコツなどをお伝えします。ミョウガはショウガ科の多年草で、一度植えてしまえば、3~4年はあまり手をかけなくても収穫できます。今回は、できる限り化学農薬・化成肥料は使わないやり方をご紹介します。

小島 理恵

執筆者:小島 理恵

家庭菜園ガイド

ミョウガ(みょうが・茗荷)の栽培・育て方のコツ

ミョウガ(みょうが・茗荷)はショウガ科の多年草。一度植えてしまえば3~4年は手をかけなくても収穫できます

ミョウガ(みょうが・茗荷)はショウガ科の多年草。一度植えてしまえば3~4年は手をかけなくても収穫できます


■ミョウガ(みょうが・茗荷)の基本情報
ショウガ科の多年草
学名:Zingiber mioga

今回は、ミョウガ(みょうが・茗荷)の栽培スケジュールや、育て方のコツ、手入れの仕方について、詳しくお伝えします。なお、「オーガニックな栽培方法」をコンセプトに、できる限り化学農薬・化成肥料は使わないやり方をご紹介します。
<目次>
 

ミョウガ(みょうが・茗荷)の栽培の難易度:意外と手が掛からない!

ミョウガの花

普段食べている部分は、花の蕾の集まりなので、収穫せずに放っておくと、このように花が咲きます


夏に、独特の香りを楽しませてくれるミョウガ(みょうが・茗荷)。普段私たちが食べている、ピンク色がかっていてぷっくりとした形のものは花穂の部分で、「花みょうが」とも呼ばれます。つまり、私たちが食べている部分は、蕾の集まりの部分なのです。

若芽の部分を遮光して育てたものを「みょうがたけ」といい、初夏の香辛野菜として、この季節を心待ちにしているツウの人もいるとか。

ミョウガは、ショウガ科の多年草で、一度植えてしまえば3~4年はあまり手をかけなくても収穫できる便利な香辛野菜です。また、通常の野菜と違い、土が乾燥しすぎる直射日光の当たる場所は向いていません。ですから「日陰で、トマトやナスには向かない」という、ちょっと困ったスペースに、むしろうってつけの作物とも言えます。
 

ミョウガ(みょうが・茗荷)の栽培スケジュール

ミョウガの栽培カレンダー

ミョウガの栽培カレンダー


ミョウガ(みょうが・茗荷)は、1年目は夏を過ぎた頃から、2年目以降は6月頃から収穫することができます。
 

ミョウガ(みょうが・茗荷)の栽培で準備するもの

ミョウガ(みょうが・茗荷)は、大抵、種株(地下茎)の状態で売られています。土のついた根っこのようなものが袋に入った状態で売られているので、ちょっと見慣れないかもしれませんが、下記のチェック項目を参考にして、良い状態のものを選びましょう。

■ミョウガ 良い苗の選び方
・長さ15cm~20cm程度で芽が2~3個ついているもの
・乾燥しすぎていないもの
・根や芽が腐ったり、カビなどがはえたりしていないもの

ミョウガは、有機質が多く、排水の良い土を好みます。地植えの場合は、土に完熟たい肥をたっぷりとすき込んでおきます。プランター栽培の場合は、2~3年はそのプランターで生育することを見越して、深さが30cm以上ある大きめのプランターを用意します。通常の培養土に、完熟たい肥を2割程度加えて混ぜ、有機質分の多い土にしておきます。
 

ミョウガ(みょうが・茗荷)の栽培:植付けの方法

15cm~20cm程度の間隔で、深さ7~8cm程度の穴をあけて、地下茎を植えつけます。地下茎についている芽をよく確かめて、芽が上を向くようにします。種株は乾燥に弱いため、植付け後は水をたっぷり与えます。
 

ミョウガ(みょうが・茗荷)の栽培:手入れの方法

ミョウガの手入れについて:地上にちょこっと頭を出した頃が、収穫の適期です

地上にちょこっと頭を出した頃が、収穫の適期です


土の表面から新芽が出てきたら、株元に腐葉土や堆肥を厚さ10cm程度敷き、株が乾燥しすぎるのを防ぎます。葉が茂って、株が充実してくると、その株の周りに、花穂が次々と出てきますので、手でポキンと折って収穫します。

植えつけて1年目はほとんど収穫できないこともありますが、葉がしっかり育って光合成をすることで、地下茎に養分が蓄えられ、それによって花穂が出てくるので、葉をしっかりと茂らせることができれば、2年目以降は豊作が期待できます。
 

ミョウガ(みょうが・茗荷)を食べると物忘れがひどくなる?

夏に独特の香りで楽しませてくれるミョウガ(みょうが・茗荷)

夏に独特の香りで楽しませてくれるミョウガ(みょうが・茗荷)


■「ミョウガを食べると物忘れがひどくなる」は何の根拠もない
平安時代の前期には、すでに食用にされていたと言われるミョウガ(みょうが・茗荷)。中国でも自生しているそうですが、食用にしているのは、世界中で日本だけとのこと。

ところで、「ミョウガを食べると物忘れがひどくなる」と、よくいわれます。これは、古典落語の「茗荷宿(みょうがやど)」という話から来ているそうですが、実際には何の根拠もないようです。

■ミョウガの香りの成分には、リラックス効果があると言われている
ミョウガの香りの成分は、「α-(アルファ)ピネン類」というもので、針葉樹のマツやヒノキに含まれる香り成分と同類です。アルファピネン類にはリラックス効果があり、脳からのアルファ波の発生を増加するなどの効果があるといわれています。

また、食欲を促進し消化を助ける・発汗を促し体温を下げるなどの効果もあり、まさに、ミョウガは夏にうってつけの香味野菜といえます。落語「茗荷宿」の話の根拠は諸説あるようですが、もしかしたら、このリラックス効果が、物忘れの話につながったのかもしれませんね。

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