家庭菜園/場所別の育て方

ベランダで野菜を育てるコツ

家庭菜園をベランダで楽しむ際は、プランター(鉢)を使って育てることになりますが、いつもうまくいかないという方、また、これから始めようという方へ、いくつかのコツを紹介していきましょう。

小島 理恵

執筆者:小島 理恵

家庭菜園ガイド

家庭菜園は、もちろんマンションなどのベランダでも楽しむことができます。ベランダではプランター(鉢)を使って育てることになりますが、いつもうまくいかないという方、また、これから始めようという方へ、いくつかのコツを紹介していきましょう。

深いプランターを使う

深めのプランター
深めのプランターに土をたっぷり入れるのがコツ。
ベランダ菜園と、地植えの菜園との決定的な違いは、土の量です。地植えの場合、そのスペースすべてが土という状態ですが、ベランダでは、プランターの容積分しか土がありません。

実は、作物を楽に育てるための一番のポイントは、土の量と質にあります。良質の土の量が多ければ多いほど、水分が保持されやすくなりますし、根が張るスペースが多くなるので、植物がしっかりと育ちます。
通路や物干しのためのスペースなど、スペースに限りがあるベランダで菜園では、なるべく深さのあるプランターを選ぶことがポイントとなります。


灌水装置付きの鉢で水やりのストレスが軽減

底面潅水装置つきの鉢
底面潅水装置がついた、スタイリッシュな鉢も輸入されています。
プランターを使って作物を育てる際の一番の気がかりは、水やりですね。夏場は朝夕の2回、春や秋でも1日1回の水やりは欠かすことができませんが、忙しい方々にとっては、これが、最大の難問といっても良いかもしれません。

そこで、ガイドがおすすめするのは、灌水装置付きの鉢です。底面に水をためておくタンクが仕込まれており、毛細管現象によって、水が土へ供給される仕組みです。メーカーや種類にもよりますが、このシステムのプランターを使用すれば、夏場でも1週間に1回程度水やりでOKになります。

普段の水やりは大丈夫だけれど、旅行で1週間くらい家を空けることがあるという方も、最初からこのようなプランターに植えておけば、旅行の際の心配もなくなります。

日当たりと風通しに気をつける

条件が限られたベランダで作物を育てるということは、大変なこともありますが、地面で育てるよりも病害虫が少なくて済むというメリットもあるのです。なぜかというと、害虫は、ある程度の高さ以上のところには、なかなか飛んできません。苗や土に元々病害虫がついていた場合は別として、周囲の影響によって被害を受けるということが少ないのです。

ただし、気をつけたいのは、日当たりと風通し。日光は、植物の生育に必要な三大要素のひとつ。ベランダの向きによっては日当たりが悪かったり、手摺り側の壁などが障害となって、意外と日が当らないということもよくあります。また、風通しが悪いと、病気や害虫が蔓延する原因となってしまいます。売られていた苗についていたちょっとした病原菌くらいでしたら、風通しの良いところで健康に育てれば、すぐに治ってしまいますが、そうでない場合は、要注意!風通しが悪く、湿っぽいエリアは、病害虫にとって居心地の良い場所。病気や害虫の原因を取り除いていくことが、農薬に頼らないオーガニックな野菜づくりの第一歩でもあります。

プランターで育てられる小型品種が続々と登場

プランターという限られたスペースでは、育てることのできる野菜も、ある程度限られてきてしまいます。

葉もの野菜であれば、ベビーリーフレタスや水菜、ハーブ類であれば、バジルやルッコラなどがおすすめです。また、薬味として重宝する万能ねぎやシソなども、ベランダで育てておけば、使うたびごとに少しずつ収穫することができ、便利です。

また、プランターでは、従来、ダイコンなどの根が伸びる品種は育てることができませんでしたが、最近のベランダ菜園ブームを受けて、ニンジンやカブなどの小型品種や、ダイコンでも丸みを帯びて長くならない品種、様々な色や形のラディッシュなど、プランター向きの小型の品種が、種苗会社によって続々と開発されており、ベランダ菜園が、ますます楽しくなってきています。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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