渋谷区南平台の高級マンション
今回、リフォームの取材対象になった渋谷区南平台の高級マンションは2008年竣工。つまり、現在築6年である。それだけしか経っていないのに、リフォームする理由があるの?と思われる読者もひょっとしたらいるかもしれない。しかし、リフォームの理由は「古くなったから」ばかりではない。当サイトで取り上げてきたリフォーム事例は、築浅マンションが多い。なかには新築で完成したばかりの住戸をリフォームした例もある。要するにその動機は、「好みの空間に統一したい」というもの。老朽化の修繕でもなく、たくさんの人から支持を得やすい最大公約的な分譲時の高級感でもなく。自分の個性が際立つ空間でなければならないである。
わかりやすいパーツをひとつ挙げてみよう。それは、各居室の天井の真ん中に設置された引掛けシーリング。部屋の天井中央部から灯りを照らす決まりはどこにもないが、ほぼ当たり前のように「ここに吊るせ」とばかり付いている。照明は、家具同様オリジナリティを発揮しやすいにもかかわらず、である。
照明や家電の影響力
フロアスタンドや手元を照らす灯りを用意したところで、天井のど真ん中にカラの照明金具が残っている状態を(気にしない人ももちろんいるだろうが)ストレスに感じる人も多いはずだ。好みの空間に統一したいならば内装をやり替えるしかない。そこに築年数という要素は無関係である。同じことは、家電についてもいえる。リビングで大画面(上の画像は80インチ)映像を楽しみたい人は音響も5チャンネルをと思うが常。アンプは隠し、ディスプレイやスピーカーは埋め込み式が理想だろう。マスターベッドルームのAV機器も同様。
キッチンはもっと要望リストが長くなる。オーブンレンジは胸の高さに置きたい。パン焼き器や炊飯器、トースターといった生活感の出る小物家電は引き出し台のある扉付きラックに仕舞いたい、といったように。万事、理想の空間とは内装・家具をもって仕上がるに非ず、同等の影響力を有する照明と家電、それに窓周りすべてを含んではじめて成し遂げるもののである。そして、全項目を一度に解決してくれるのがスケルトンリフォームとなる。