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第一反抗期に対応する4ポイント!子どものイヤイヤ期の子育て方法

「第一次反抗期」は2~3歳にかけて多くの子どもが通る道。イヤイヤ期とも言われますが、この時期は自我が少しずつ芽生え始めた1歳代からさらに飛躍的に心が成長し、「赤ちゃん」から「子ども」になっていく様子を感じられる味わい深い時期でもあります。

執筆者:千葉 美奈子

第一次反抗期とは? 2~3歳でやってくるイヤイヤ期

第一反抗期に対応する4ポイント!子どものイヤイヤ期の子育て方法

飛躍的に心が成長する2~3歳代


2~3歳にかけて多くの子が通る「第一次反抗期」。言うことを聞いてくれない小さな子ども相手に途方に暮れることも、数えきれないくらい経験する時期ですね。この時期は、自我が少しずつ芽生え始めた1歳代からさらに、飛躍的に心が成長する時期。少し冷静に観察してみると、「赤ちゃん」から「子ども」への成長の様子をまざまざと感じることができる味わい深い時期でもあります。

手ごわい第一次反抗期の様子から成長の様子を読み解き、寄り添う4つのポイントをご紹介します。
   
<目次>
 

1. 要求する力の成長……「イヤイヤ」から「○○がしたい!」へ

1歳を過ぎ、意思の疎通が少しずつできるようになってくると、最初は子どもにも喜びが芽生え、やり取りを楽しむようになります。

「これ、ポイしてきて」「オムツを取ってきて」などと声をかけてみると、張り切って応えてくれることも出てくるでしょう。親も、「こちらの言っていることが分かってきている!」と大きな喜びを感じられる成長段階。子どもも、相手の声がけを理解して期待通りに行動でき、それに対して喜んでもらうことで、自信をつけていくころです。

育ち始めた「相手に意志を伝えられる自信」=自我の芽生えですが、やがて、イヤイヤ期につながっていきます。相手の思いが分かるからこそ、とりあえず「イヤ」と拒否してみたい。自分のお世話をしてくれる大好きな存在に、思い切って「イヤ!」と言ってみた時の小さな子どもの気持ちって、どんな感じなのでしょう!?  眉間にしわを寄せた親の表情(大抵は「とうとうイヤイヤ期が始まったの!?」と感じている……)も、子どもにとっては新鮮なものに映るのかもしれませんね。

そして、ひたすらイヤイヤを訴える時期から、さらに明確に「○○がしたいから、今、△△するのはいやだ」と訴えるようになってくると、いわゆる本格的な第一次反抗期といった様相に。まだ遊びたいから、ご飯を食べたくない、お風呂に入りたくない、寝たくない。まだここにいたいから、帰りたくない。この服が大好きだから、着替えたくない……。

赤ちゃんのお世話がテキパキできるようになったと思ったころにやってくる、イヤイヤ期、第一次反抗期。今度は、「気持ちを受け止めてそれを伝える」という作業が重要になり、慣れたお世話がスムーズに進まなくなってきますね。この時期はとにかく、「あなたがしたいことはことは分かったよ」と伝えてあげるのが一番。気持ちを受け止めてクールダウンさせることは、短い時間ですむことばかりではありませんが、そのワンクッションで、親子双方の気持ちが落ち着くケースも多いと思います。
 

2. 独立心の芽生え……「○○して」「○○しよう」が通じなくなる

どんなに小さな子どもでも、要求する力の育ちは、独立心の第一歩。すべてのことにお世話が必要だった時代から、大人から見ればどんなに不十分であっても「自分でできる、自分でやる!」という気持ちが現れてきます。周りの都合やペースではなく、自分の意志で自分のペースでやりたくて仕方がないので、親子双方のタイミングが合わないと、丁寧に言葉がけをしても拒絶、好きなことに誘ってみても拒絶という事態に陥ってしまいます。「○○してね」「○○しよう」が通じない場面が続くと、親はげっそりとした気分や、ひたすら忍耐力を試されているような気持ちになったり……。

願い通りに動いてくれないお子さんを前に、多くの親たちは、小さい子でも丁寧に説明しながら言葉がけをして根気強く向き合っていらっしゃると思います。しかし、直球ばかりではお互いに行き詰ってしまいます。変化球も投げてみましょう。

たとえば、指示したり、誘ったりするよりも、「自分から○○したくなる」ような声がけを工夫してみます。「お風呂に入ろう」と言うよりも、「お風呂で(おもちゃの)あひるさんたちが待ってるよ!」。「寝なさい」よりも「(ぬいぐるみの)くまさんを寝かせてあげて」「くまさんは誰とねんねするのかな?」。「出かけるから靴をはこう」というよりも、「お外でブーブー見られるかな?」。着替えを嫌がる子には、自分で服を選ばせてみる、などなど。

小さな気分屋さん相手では、「効く」言葉もその時々の状況や子どもの気分によりますし、「いつもはこれで何とかなるのに、今日はダメだわ」ということも少なくありませんね。言葉で気持ちを伝えることがまだ難しい子どもとのやりとりは、禅問答のようでもありますが、だからこそ、工夫した声がけが効果を発揮してくれた時は、疑問が喜びに変わるはず!
 

3. 自分への自信の芽生え……「大切もの・こと」を守ろうとする

同じことを何度も「見て見て」と言ってくることも増える年頃です。そこにあるのは、認めてほしい、自分が見つけたり感じたりしたことを、同じ思いで共有してほしいという気持ち。かわいい仲間意識の芽生えです。持て余している食事を下げようとすると怒ったりするのは、自分が大切にしているペース、世界を乱されたくない思いの表れ。しっかりとなわばり意識が育っています。

家族以外の他者との関係の中では、1歳代に比べ2歳代になると、自分と同じぐらいの子どもを、より意識するようになり、一緒の場で遊ぶことにとても楽しそうな様子を見せ始めます。一方で、「張り合おうとする」「自分の大切にしているもの・ことをとことん守ろうとする」ため、プチトラブルが増え、見守る親たちはヒヤヒヤの連続。2~3歳の子が集う遊びの場などでは、お約束のおもちゃを取り合い。「ほしかったんだね。でもこれは○○ちゃんが先に遊んでいたんだから、取っちゃダメだよ」「ごめんなさいして、はいどうぞって返してあげようね」といった親たちの声がけが繰り返されます。子どもが納得できず、何としてでもおもちゃを奪おうとしたり、それがかなわないと癇癪を起こして手が出てしまったりすることも。

上の会話に挙げたように「○○したかったんだね」と気持ちを受け止めて、本人の気持ちもお友だちの気持ちも両方代弁してあげることは、非常に大事です。何度となく繰り返されるこういった場面をへて、取る側、取られる側の両方も経験しながら、他人の気持ちも少しずつ想像していくようになります。

しかしまだまだ、説明したからそのように振る舞えるとはいかない方が多いものです。1度しっかり説明したら、気持ちを切り替えさせるために双方の子どもを引き離して気持ちを切り替えさせてあげましょう。長い説明よりも、その都度その都度の繰り返しの説明の方が、子どもも受け入れやすいのです。
 

4. 「反抗」は安心して感情を出せている証拠

赤ちゃんや1~2歳の小さな子どもでさえ、出先と家とでは雰囲気が違うことがあります。オンとオフを既に分けているのですね。幼児期後半や小学生になってからは、家ではとにかく手が焼ける子だと親が思っている子が、保育園、幼稚園、小学校ではまた違った一面を見せながら過ごしている様子を先生などから聞き、親が驚くこともあるでしょう。

小さいながらも緊張と安心をしっかり受け止め、オフ状態に感情を吐き出せている子どもに対して、イライラした気持ちに任せて「怒って」しまうことは信頼関係を損なうことにもつながってしまいます。「危険なことをしたとき」「相手にいやな思いをさせたとき」など、叱ると決めたことには毅然と対応し、夫婦、家族間で、叱る基準をできるだけ統一して対応できたらいいですね。

ところで、たまに聞かれるのが、「うちの子はイヤイヤ期や第一次反抗期といった時期がない(なかった)けれど、大丈夫かな?」というお母さんの心配。反抗という形ではなくても、違う形でさりげなく主張をしているケースもあるのです。反抗期が顕著でも、そうでなくても、「反抗的な態度」ばかりに気を取られない方がいいようです。何気ない子どもの日々の言葉の裏側に、色々な気持ちが隠れています。「こんなことをしたり、こんなことを言う時のこの子の気持ちは、どんなかな?」と、少しだけ小まめに想像する習慣をつけてみると、子どもとの心の距離がぐんと縮まることを感じられるようになります。 
 

第一反抗期は「立ち向かおう」と気負いすぎずに子どもに寄り添って!

特に母親にとっては自分から生まれた子どもであっても、自分とは別の人間であり、心を完全に理解するのは不可能です。第一次反抗期は、それを実感する最初の大きな節目ではないでしょうか。そして、子どもが成長すればするほど、そのことを痛感する機会は増えてきます。

「反抗期が始まってしまった」ととらえるとどうしても、「立ち向かう」というような気持ちを持ってしまうこともあるかもしれませんが、異なる人間同士が「お互いに理解し合う長い第一歩の始まり」であり、子どもが誇らしさをもって成長の段階の1つの大きな扉を開けた時期。気持ちを想像して寄り添う、根気よく向き合うという作業を繰り返し経験することは、長く続く子育てで今後も色々な課題が出てくる中で、必ずよりどころになるはずです。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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