落ち込まず前向きに暮らせる住まいを選ぶ
また、前向きに生きていくには、人間関係のストレスや思うようにならない仕事への落ち込みを明日に持ち越さないようにすることが大切です。そのためには、住む場所を変えるだけではなく、住まいそのものにも注意を払う必要があります。落ち込んだ気分がいや増しするような住まいでは、引っ越す意味はありません。前向きな気持ちで暮らせる間取りを選びましょう。私が考えるポイントは4つです。
ポイント1 精神的逃げ場のある間取り
ひとりなら1DK~1LDKを選びましょう。ワンルームはお勧めしません。居室以外にダイニングなどもう1ヵ所気分を変えることのできる居場所があると家にいて追いつめられる気分を払しょくできます。加えて、奥行が細長く間口が狭いうなぎの寝床式間取りは圧迫感を感じてしまうので、できるだけ間口の広いものを選びましょう。
ふたりなら1LDK~2LDKを選びましょう。基本的なことは、ひとり暮らしの間取りの考え方に準じますが、ふたり暮らしならではの注意点として、たとえ仲良しであってもお互いがひとりになれる空間があることが大事です。ゆるやかな個人主義が成り立つことが円満のコツではないでしょうか。
ポイント2 不眠症にならない間取り
強いストレスや気分の落ち込みがあると、なかなか寝付けません。それがこうじて不眠症になるという人も多い昨今、眠りやすい間取りを選ぶ視点も重要です。
寝室とトイレ・洗面室・浴室がつながっている間取りが理想的です。折角寝付いたのに、トイレで起きたとします。電気をつけてリビングなどのパブリックスペースを通らないとトイレに行けないような間取りでは、往復する間に緊張のため覚醒してしまい、その後の寝つきが悪くなってしまいます。
床はフローリングよりカーペット、壁紙は布製にするなど、やわらかな素材を使用したほうが、気分がやわらぎ、寝つきやすくなります。間接照明を。
ポイント3 リラックスできる浴室・洗面室
賃貸住宅ではまだ一般的ではないのが残念ですが、分譲マンションのお風呂は広めのものが普及してきました。
90平米以上のマンションで1620(幅1.6m奥行2mのこと)、60~80平米程度のファミリータイプで1418、50平米程度であれば1317、それ以下であれば1216が使われているようです。1418タイプ以上で卵型の浴槽なら足を延ばしてゆったり入れてリラックスできます。
加えて洗面室の脱衣スペースが窮屈でないかも確認しておきましょう。窮屈さはリラックス効果を低下させます。
ポイント4 「家事」が楽しくなる間取り
家事は心を落ち着ける効果があります。以前会社を倒産させてしまった社長が、精神を安定させ、次のステップを冷静に考えるきかっけとなったのが、毎日の家事だったといいます。私も仕事に手詰まり感があるときは、気分転換にあえて掃除や片付けなどの家事をします。良い打開策を思いつくことが、しばしばあるものです。
各部屋と廊下、玄関には収納スペースがないと、片付けが苦痛になります。浴室に洗濯機や洗剤を置くスペースがないと、洗濯がおっくうになります。ふたり以上の家族なら台所は3.5畳程度ないと、料理をするための家電、調理器具、食器は置くにおけない状態で、つい外食が増え、健康を害します。
住まいを変えて自分を変える。私自身の経験からみても、この効果絶大です。