コーチング

相手を「主役」にするマジカルワード(2ページ目)

使う言葉がちょっと違うだけで、相手に与える影響は大きく変わってきます。リーダーとして、あなたは今どのくらい言葉遣いに意識を向けているでしょうか? 

平野 圭子

執筆者:平野 圭子

コーチングマネジメントガイド


「あなた」は相手を主人公にする

「あなた」の使い方についてヒントを得た体験があります。

グローバル化に伴い、当社でも英語によるコーチングやそのトレーニングを開始していますが、その中でとても興味深いのが「あなた」の使い方でした。たとえば、次のような言い回しです。

たくさんの人の中、それぞれの個人がコメントする図

その他大勢ではなく、主人公として

「『あなたが』やりたいと言っていることはこれですか?」
"Is that what YOU want to do?"

「『あなたは』私にどのように関わってほしいですか?」
”How would YOU like me to support you?"

「どうすればいいと思いますか?」といった日本語の曖昧さに対して、英語の場合は、「『あなたは』…?」といった言葉遣いで、コミットを求める傾向が多く、同時に、相手を主人公にします。

すると必然的に相手には「主体的に取り組む」「自責で物事を捉える」という意識が芽生えやすくなります。

改めて「あなたは」と問われることで、知らず知らずのうちに取り入れていた誰かの意見ではなく、自分はどうしたいのかを意識するようにもなります。

このことに気づいたのち、周りのコミュニケーションをよく観察していると、やはり「あなた」を意識させる話し方をしているリーダーたちは、メンバーを活かし、成果を上げているように思います。

「あなたはどうしたいのですか?」
「あなたはどう考えますか?」

こうした「あなた」フレーズを日常的に用いることで、相手は目の前で起こっていることを自分のこととして捉えます。つまり、「主人公」になるのです。

結果として、受け身ではなく、しかけていくのは自分だという「自己効力感」を高めることもできます。

また、このアプローチは、相手が愚痴ばかり言っているとき、物事や状況を他人事に捉えているときにも有効でしょう。


ここでもノンバーバルに注意!

しかし、伝え方によっては、相手が「責められている」、「突き放された」と感じることもあります。

ここでも大切なのは、やはりノンバーバル。言葉遣いだけでなく、伝える時の声のトーンや表情がとても重要なのです。そして、そのノンバーバルを創り出すのは、相手に対するあなたの気持ち、スタンスです。

ぜひ、相手を主人公にするという気持ち、相手の可能性と行動力を信じるスタンスで「あなた」フレーズを語りかけてみてください。
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