リーダーシップ/リーダーシップ活用事例

グローバルリーダーへの道-7(2ページ目)

今回は「グローバルリーダーへの道」の7回目です。自分が身を置いている環境や物事を考える視点を変えることがグローバル化に繋がることを提示したいと思います。国を越えて、会社を越えて、色々な環境に身を置くことが異文化適応への近道です。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド


虫の眼と鳥の眼-グローバルという視点

高いところから俯瞰することがグローバル視点に繋がっていく

高いところから俯瞰することがグローバル視点に繋がっていく

これまでの思考の枠組みですと、例えば、自動車産業の場合、トヨタの競合は日産であり、ホンダでした。これは虫の眼的な発想です。インターネットの出現により、特にこの20年間で世界はネットワークで繋がりました。日本国内という枠ではなく、鳥の眼的な発想、世界的視野でモノを考える能力がこれからは益々必要になっていきます。 

中国市場で比較的成功している日産の競合は、今やフォルクスワーゲンや中国の自動車メーカーになります。今まで以上の幅広い情報収集をベースに、これまでとは全く違う枠組みで物事を考える力が必要です。

こういう枠組みで舵取りをしなければならないこれからのリーダーは経済に加え、政治や社会や文化など、あらゆるジャンルを意識して多面的に情報収集し、冷静に現実を見つめ、未来を予測する能力が求められるのです。

このような能力を概念化能力といいます。全体を俯瞰的に捉え、その中でのビジョン(5年後、3年後の目的地)や戦略(その目的地に辿り着くための道筋・アクションプラン)を描く能力です。リーダーとして最も求められる能力です。

学生レベルで見ても、日本の学生よりも中国や韓国の留学生の方が遥かにこのグローバル思考が獲得できています。日本はこれまで鎖国政策を取ってきた名残りなのか、陸続きでない島国という地域特性上、こればかりは意欲的に獲得するしか方法はありません。

その意味で、グローバル人材になるために出来るだけ若いうちに1年以上、海外に行くことをお薦めします。グローバルな思考は色々な人種と交わることで醸成されていきます。前回、取り上げた異文化適応能力や自立マインドなども同時に獲得できるので、まさに“一石数鳥”と言えることでしょう。

(アーカイブ記事)
グローバルリーダーへの道-1
グローバルリーダーへの道-2
グローバルリーダーへの道-3
グローバルリーダーへの道-4
グローバルリーダーへの道-5
グローバルリーダーへの道-6

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