北欧ノルウェーのお金がかかるお酒事情

ノルウェーのお酒

ノルウェー産のおいしいお酒を旅行中に飲むためには、いくつかの酒事情を知っておくと便利

ノルウェーのお酒事情には、国民の大のお酒好きと、それをどうにかして制限しようとする政府の試行錯誤の歴史が深く関係しています。1年のほとんどが冬のような気候で、日光が不足する暗い日常生活では、体をぽかぽかと温めてくれるお酒はノルウェー人にとって癒しの飲み物です。ノルウェーを訪れる旅行者は、ある事実に驚くことでしょう。「物価が高い国だろうとは思ってはいたけれど、お酒が本当に高い!」。高い酒税の国で、地元の人々はどのようにお酒と付き合っているのでしょうか? 昔から現代までの、ノルウェー人とお酒に関する基本情報をまとめてみました。

ノルウェー人とお酒の歴史

酒とノルウェー人

蚤の市でもお酒由来の雑貨が見つかる。ビールジョッキを手にしている楽しそうな妖精ニッセとノルウェー人男性

ノルウェーではいつからお酒が飲まれていたかは定かではありませんが、海賊ヴァイキングが蜂蜜酒とビールを愛飲していたことは伝わっており、北欧神話には主神であるオーディンとビールのエピソードが記録されています。900年頃にはクリスマス前に供えて、農民がクリスマスビールを醸造することが義務化されており、従わない者には教会から厳しい罰則が科せられていました。

アルコールド度数が20度以上の「Brennevin/ブレンネヴィン」と呼ばれる蒸留酒が国内に伝わったのは1500年代といわれており、当初は薬として使用されていました。1800年代になると薬以外の用途でも使用されるようになり、地主には蒸留酒を自家生産する権利が与えられました。金銭的に余裕がない時は、地主は給料としてお酒を小作人に手渡していたそうです。その結果、蒸留酒の生産量・消費量は急増し、15歳未満の未成年も泥酔状態に。1800年代半ばには、国民のお酒好きは依存症のレベルにまで悪化し、犯罪率も増加するなど、大きな社会問題に発展。

その結果、1917~1927年には蒸留酒、ワイン、ビールを含む禁酒令が施行されました。1926年に行なわれた国民投票の結果、翌年に禁酒令は廃止。現在の人々のコーヒー好きは、この期間に大好きなお酒が禁止されてしまい、その代替品としてコーヒーが国民の生活に普及したとも言われています(別記事:ノルウェーのコーヒー文化)。国民の飲みすぎを防止するために、政府による厳しい規制は今でも続いていますが、人々のお酒好きは昔も今も変わってはいません。