北欧ノルウェーは最高品質のコーヒーが味わえる国 

ティム・ウェンデルボー/Tim Wendelboe

ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ2004年度の優勝者であるティム・ウェンデルボー氏が経営するカフェでは、「エアロプレス」という抽出器具で淹れた浅煎りコーヒーを味わえる。店内では豆の焙煎も行っている

2000年以降、「オスロのコーヒー」が海外から注目を浴びています。国際コーヒー機関(International Coffee Organization)の2012年発表の統計によると、世界の一人当たりのコーヒー消費量は、ノルウェーが1人当たり9.21kg、日本は3.4kgだそうです。世界別ランキングでは1位のルクセンブルク、2位のフィンランドに続いて、ノルウェーは3位、日本は11位となっています。ノルウェー人は、日本人の約3倍にあたるコーヒーを摂取していることになります。

2000年度から開催されている世界一のバリスタを選出するワールド・バリスタ・チャンピオンシップにおいては、初代優勝者はロバート・トーレセン氏、2004年度の優勝者はティム・ウェンデルボー氏と、ノルウェーが優勝者を続々と輩出しています。最近では、オスロのカフェ&カクテルバーである「フグレン」(Fuglen)が、2012年5月に東京の富ヶ谷にオープンしたことにより、北欧オスロのコーヒーは日本国内でもさらに注目を浴びるようになりました。

ノルウェー人の生活にコーヒーはなぜここまで深く浸透しているのでしょうか。国内のコーヒー業界の第一線で働くロースター(コーヒーを生豆の状態で仕入れ、焙煎し、卸売り・小売りをする業者)とバリスタ(コーヒーを淹れるプロ)の方々からお話を伺いながら、ノルウェー人とコーヒーの関わりを紐解いてみました。

ノルウェーとコーヒーの長い歴史

ノルウェーはブラジルと100年以上の貿易の歴史があり、コーヒーが広く普及しました。戦争中と戦後は貧困のために、コーヒー、ミルク、砂糖は高価で入手が困難なものとなりましたが、人々はブラックコーヒーがどうしても飲みたくて、トウモロコシやジャガイモを焦がし、代用品として飲んでいたほどだったそうです。

アルコール禁止法と教会コーヒー 

FuglenOslo_Einar

フグレンのオーナーであるホルテ氏は2007年度の国内バリスタ大会クラシック部門の優勝者である

カフェ「フグレン」のオーナー兼バリスタであるアイナル・クレッペ・ホルテ氏は、ノルウェーで1917~1927年に施行された「蒸留酒禁止法」と、現在も続く「教会コーヒー」をコーヒー普及の理由として挙げます。

「アルコールが大好きなノルウェー人たちが、お酒を飲むことを禁止されたのですよ!」と、語るホルテ氏。また、週末、教会でのミサの後に飲むコーヒーも、会話のツールとして欠かせない飲み物となりました。これらをきっかけに、市民の生活にコーヒーが一気に浸透したそうです。

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