「桜上水ガーデンズ」敷地面積約4.7ha
本年注目のプロジェクトのひとつ、「桜上水ガーデンズ」(野村不動産、三井不動産レジデンシャル)の詳細が一部、明らかになった。「桜上水ガーデンズ」は京王線「桜上水」駅から徒歩3分、総戸数878戸の分譲マンションである。建て替え事業のため、非分譲住戸362戸を含んでいる。最大の特徴は、なんといっても敷地の広さ。約4.7haは類を見ないサイズだ。地域ごとに定められている建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)は規模によらず一定であるため、広い敷地を有した建物ほど多くの緑に囲まれることになる。経年の楽しみがあるのだ。それは中小規模の物件では得難い魅力といえる。
右上の画像は、山手線内側で最大の敷地面積を誇る「広尾ガーデンヒルズ」。30年近い年月を経て、木々は見事に育ち街の印象をも変えた。マンション選びは、どうしても建物のデザインなどに関心が向かうが、街並みを形成する要素はもう少し複雑。景観は空地(緑地)が形成するといっても決して大げさではないことがわかるだろう。
免震の採用と3戸一のEV
「桜上水ガーデンズ」は6階~14階建ての9棟の建物で構成される。敷地の隣は、東側から南西方向にかけて、教育機関の施設が取り囲んでいる。そのため、どの棟にも長所が見いだせる好条件の立地環境といえる。建物は全棟で免震を採用。大地震の際にも家具の転倒などの恐れも軽減され、建物への損傷もしにくい構造である。住戸内の開放感を高めるため、3戸一EV方式を多用している。これにより、角住戸以外にも両面バルコニーが実現できている。さらに中住戸もスパンを長めに取っているプランがあり、敷地の大きい利点を専有部まで十分活かしたことが伺える。
価格は坪換算で@330万円前後。専有面積は平均79平米で、永住指向の顧客も選択しやすいプランバリエーションだ。このスペック(価格)なら、通常リビングダイニングは天井埋め込み式カセットエアコンを装備するが、「桜上水ガーデンズ」はすべて壁掛け式。だが、安心感の高い躯体(免震)、通風採光に優れた設計(3戸一EV)、広めの間取りや天井高(2.6m)など基本性能に十分な投資を行っている点を見れば、比重の掛け方は正しいといえる。