市況では語りきれない、好評の理由

東京から1,600km離れた沖縄

東京から1,600km離れた沖縄

「あの売れ方を一般的な市況になぞらえて説明するのは無理」。那覇市で不動産業を営む土田英明氏(琉球コーポレーション株式会社代表取締役)はいう。価格が安いのか? と聞けば、「どちらかといえば逆」(同)だそう。 周辺相場と比較することさえ、あまり意味をなさないらしい。これはまさにナンバーワン立地に共通する現象といえる。

「リュークスタワー」は大和ハウス工業を幹事会社とした、オリックス不動産、大京の3社によるジョイントベンチャープロジェクトだ。設計・施工は清水建設が請け負った。30階建てツインタワー、総戸数676戸の大規模超高層マンションである。

物件の詳しい解説に入る前に、売れ行きを示すデータをご紹介しよう。2012年8月から現地近くで集客をはじめ、来場総数は1400件超(2013年3月末時点)。8ヵ月でこの数字は、まるで東京都心部のようである。販売戸数260戸に対して、250戸が契約見込み(契約済234戸含む)。にわかには信じ難いスピードといえる。先に竣工する西棟の入居は2013年12月予定。まだ9ヵ月も先だ。

1.2億円住戸に3倍!?

先月上棟した「リュークスタワー」

先月上棟した「リュークスタワー」

2013年4月6日時点の公式サイトでは、販売戸数8戸(専有面積 66.09~83.57平米)、販売価格2,970~4,350万円、最多販売価格帯 3600万円台と記されている。5000万円以上の部屋が少ないのかと思えるが、じつはすでに売れてしまっているのだ。

「最上階プレミアムクラスの1.2億円台住戸には3倍の登録。最高は、ビューバスのある6600万円台(約100平米)で、6倍まで上がりました」(リュークスタワー販売事務所長 長尾大介氏)。首里城方向が一望できる東棟はこれから販売が始まるのだが、すでに問い合わせがあるらしい。

反響総数は3450件。そのうち首都圏が4割を占めるという。「ご購入されている人たちの比率も同程度いらっしゃいます」(同)。もし、マンション全体がそうであれば、首都圏在住者が300戸弱を占めることになる。大和ハウス工業は過去2棟のタワーマンションを同じ那覇市内で分譲しているが、「首都圏比率が4割以上、場合によっては半数を超えるケースも。したがって、決して珍しい現象ではありません」そう教えてくれたのは同社沖縄支店マンション営業所長の早坂元伸氏だ。

ちなみに、過去2棟の分譲単価は坪にして「D’グラフォート沖縄タワー(総戸数142戸、2007年11月竣工)」が約@164万円、「プレミスト牧志タワー 国際通り(同161戸、2010年10月竣工)」が約@160万円。ともに25階建て。読者の方々は、ますます首をかしげているのでは? 4倍以上戸数が多く、しかも高い値段設定でどうしてこれほど順調に売れるのかと。あらかじめ申し上げておくと、立地は海沿いではない。