香りの必要性
香りの魔法
地面に根を張る植物は動くことが出来ないため、香りは外敵から身を守る(忌避)ためであったり、ミツバチなどの虫を誘い(誘因)受粉してもらうためにあるのです。
果実が美味しそうな香りを放つのも食べてくれる動物を誘い寄せるためで、動物が果肉を食べ、残った種子を捨てる事で、新たな土地に芽吹くのです。
植物にとって、香りは身を守り、命を紡ぐために欠かせない大切なものなのです。そして、人間だけでなく、地球上の様々な生物が香りに引き寄せられている事にお気づきでしょうか?
香りは直感
香りは直感?
香りを吸収する嗅覚は、「もっとも原始的で無意識な感覚」と呼ばれ、私達が頭で考える前に、好きか嫌いかを区別しています。相手が誰であるかという事を考える前に、香りで、その人の好き、嫌いを私達は無意識に感じているのです。
すなわち、「好きな香り」と判断した場合は、脳に快刺激が送られるので、心身はリラックスし、相手に対しては好印象を持ちます。反対に「嫌いな香り」と判断した場合は、脳に不快刺激が送られるので、相手に対しては最初から警戒心が高くなります。おわかりだと思いますが、恋に賢く香りを用いるのならば、彼が好きな香りを使う事が秘策なのです。
おそらく、古くから香りが媚薬のごとく利用されてきたのには、人々が直感的にこの事を知っていたからでしょう。クレオパトラは、膝が埋まるほどの薔薇を敷き詰めた部屋でアントニウスを迎えていたそうです。アントニウスが、魅惑の香りに誘われるようにクレオパトラの部屋に入っていく情景が目に浮かぶようですが、これだけロマンティックに誘惑されては、落ちない男性はいないのかもしれませんね。
楊貴妃は、香りを体に塗るだけでなく、香りを発する果物なども食したとも言われています。世界三大美女と呼ばれた彼女達に共通するのは、魅力的な香りを全身にまとっていたという点です。中でも催淫作用を持つ香りを体にまとっていたと言われていますが、まさに、彼女達は嗅覚から男性を攻略していったと言っても過言ではないでしょう。そして、その香りの威力は恋だけでなく、民衆の心をも掴み、権力の座を維持する役割も担っていたのです。
香りと記憶
香りと記憶
例えば、彼と会う時に、あなたがいつも薔薇の香水をつけていた場合、彼の記憶には、薔薇の香水とあなた自身が一緒に記憶されます。あなたと一緒にいない時に、彼が薔薇の香りを感じてもあなたを思い出すようになるのです。
クレオパトラは、帆に薔薇やクローブの香りを染み込ませた船でアントニウスを迎え、映画のワンシーンのような再開を果たしますが、二人にとって懐かしい香りは、再開をより一層感動的なものに盛り上げたことでしょう。
日常生活に香りを取り入れてみると、自然と二人に共通した好きな香りが見つかると思います。それは、時に穏やかで優しい恋の香りであったり、彼への燃えるような恋の香りであったりと、その時々の思い出と一緒に記憶の中に刻まれていきます。二人にとって特別な日に、懐かしい香りで、楽しかった思い出や出会った頃の初々しい気持ちを思い出してみるというのも素敵ではないでしょうか。
香りを武器に
香りを武器に
彼をリラックスさせ、彼がいつもより笑顔でいる時間が長ければ、その香りは、あなたにとって恋の味方となってくれるでしょう。その香りに1~2種類の精油を組み合わせ、いくつかの香りのバリエーションを作ってみてください。
時の経過にあわせて楽しむ香りを変えてみるのもいいでしょうし、誕生日や結婚記念日などイベントにあわせて、香りを楽しんでみるのも素敵だと思います。香りは彼だけでなく、あなたの心にも働きかけています。時には、あなたもクレオパトラのように、大胆に、香りを武器に恋愛を楽しんでみてはいかがでしょうか。