リーダーシップ/リーダーシップ活用事例

プロ野球界、監督のリーダーシップ(2ページ目)

今年のプロ野球は終盤戦に入り、現在、セ・リーグは巨人、パ・リーグは楽天が首位に立っています。スポーツの世界はわかりやすく、学生時代は監督やコーチの力量次第で短期間で劇的にレベルアップするものです。例年、1・2回戦負けの弱小チームが5年後に全国制覇するというケースもあるくらいです。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド


冷静沈着なリーダー、野村監督

監督はゲームを支配する上で重要な存在です

監督はゲームを支配する上で重要な存在です

「野村ノート」と言われる理論や戦術が事細かに書かれたメモは有名です。現役時代は長嶋選手のような派手さはありませんが、パ・リーグで初めての三冠王になるなど、実績は超一流、折り紙つきです。捕手として、全体を冷静かつ俯瞰的に見ることに長けていたことでしょう。古田や宮本など、多くの人材が輩出されたことでも有名です。ぼやきはあくまでも手段であり、人を育てる卓越したリーダーと言えるでしょう。

支援するリーダー、栗山監督

栗山監督は昨年1年目にしてパリーグを制しました。選手としては大きな実績は残せませんでした。原監督以上に兄貴的な要素が強く、近寄りにくいタイプではないので、コミュニケーションは比較的取りやすいと思います。若手にもチャンスを与え、競争原理を用いて個々のレベルアップを図るスタンスが読み取れます。


情緒的で動的なリーダーとしては、長嶋監督、星野監督、ロッテのバレンタイン監督が象徴的です。論理的で静的なリーダーとしては、王監督、野村監督、落合監督、広岡監督、森監督が挙げられます。

監督(リーダー)と選手(メンバー)との技量の差で求められるリーダーシップスタイルは変わるものと思います。王監督のように圧倒的な技量の差がある場合、選手との接点はコーチに委ね、コーチが選手と細かいコミュニケーションを取るスタイルが理想的でしょう。

選手と監督を繋ぐ、キャプテンは重要な存在です。選手と王監督を繋いだ、第1回WBCのイチロー選手の存在は優勝に大きく貢献したものと考えています。

卓越したレベルの技能(Skill)とメンバーを巻き込んでいく情熱(Passion)を持ち合わせたリーダーはなかなか存在しないものです。

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