ほんの100秒ほどの映像です。ぜひ、ご覧になってみてください。
[Youtube映像]The Power of words
あらすじ
とはいえ、動画が見れない環境の方もいらっしゃるかもしれません。簡単にだけあらすじをお話しします。まずはじまるのが、盲目の老人が道に座っているシーン。老人の横には、彼自身が段ボールに書いたメッセージが。「I’m Blind. Please help(私は目が見えません。助けてください)」
老人はメッセージを通じて、街行く人に物乞いしますが、人々の反応は冷たいものでした。老人もそれに対して、まぁこんなもんだろうという反応。
そこにひとりの女性が表れて、老人がメッセージを書いた段ボールを、勝手に書き換えてしまいます。でも、老人は目が見えないので、どう書き換えられたのかはわかりません。そして立ち去る女性。
ところがびっくり。女性がメッセージをいじった瞬間から、街行く人たちの反応が大きく変わります。急にコインをくれる人が増えたのです。老人は驚きます。一体、何が起こったのかと。
It's a beautiful day. But I can't see it.
そこで、映像ではボードをアップで映し出します。「It’s a Beautiful day. And, I can’t see it.(今日も、ステキな日だね。でも、僕にはそれが見えないんだ)」
なぜ女性のメッセージは変化を生んだのか?
段ボールの短いメッセージが、別のものに書き換わっただけ。それだけで劇的な変化を生み出しました。前の文面と後の文面で、何が違うのでしょうか?私の解釈で言うならば、前の文面「I’m Blind. Please Help」は、奪うメッセージ。一方、後の文面「It’s a Beautiful day. And I can’t see it.」は、与えるメッセージなのです。
前の文面は、唐突に「金をくれ!」と現れるようなもの。たしかに目が見えないという状況は、同情するものなのですが、その同情をじっくり味わうより前に「金をくれ!」のメッセージに奪われる感覚を植え付けられてしまう。
一方、後の文面は、まず最初に「今日もステキな一日だね」と語りかけながら、教えてくれます。素敵な一日の始まりを再認識させてくれます。そんな、小さいながらもハッピーを感じさせてくれた老人。
その後に伝わってくる、彼自身がそのハッピーを味わえないという事実。だから、彼に手助けをしたいと思えるのではないでしょうか。
プレゼンテーションの語源は、プレゼント(贈り物)です。書き換えられたメッセージは、しっかりとプレゼントになっていた。だから、お返しが来たのではないでしょうか。
私たちのプレゼンに活かすには
さて、今回は私なりの解釈を書かせていただきました。この学びを自分たちのプレゼンにどう活かすか? 一番大切なことは、プレゼンを通じて、聴き手にどんなプラスを提供するかをじっくり考えようということです。聴いただけで得するハッピーをどんな風に与えられるかを。営業のプレゼンテーションで言うならば、商品を買ってくれたあとのメリット(購入によるメリット)はもちろん語っていることでしょう。しかし、あなたの話を聴くだけで、商品を購入しなくても得するようなプレゼンになっているでしょうか?
たとえば、知的好奇心が満たされる。たとえば、聞いていて元気になる。小さなプラスが与えられるプレゼンを心掛けてみてください。