安吉白茶
湯の中で舞う美しい茶葉
浙江省安吉県で作られる安吉白茶。1982年に発見された樹齢100年を越える1本の野生白葉茶樹を親木として、挿し木によって増やして育てられたお茶です。
緑茶でありながら白茶という名前がついているのは、気温の変化によって葉が白くなること特性に由来しています。安吉白茶の新芽は薄い緑色ですが、一定の気温下において、葉が開いた時に乳白色になり、また緑色に戻るという独特の性質を持っています。
安吉白茶の茶葉
白化現象中は、葉の中の葉緑素が減り、旨み成分のアミノ酸含有量は増えています。茶葉に含まれるアミノ酸の含有量は、一般的には約2~4%であるのに対し、約6.5%にまで増えることもあります。また、アミノ酸含有量が増えている間、苦み成分であるカテキンは減少しています。カテキンが少ないのは、乾燥茶葉をそのまま食べてみるとよく分かります。苦みが少なく、香ばしい甘さが口の中にひろがり、花のような香りが鼻からすっと抜けていくようです。
このような理由から、渋みが少なく甘みのある味わいを楽しむことができるお茶になっているのです。旨み成分であるアミノ酸は、緑茶では重要視されるもののひとつ。日本の緑茶も、低い温度でゆっくりとアミノ酸を抽出する淹れ方が好まれています。アミノ酸の多い安吉白茶は、日本茶の好きな方にも好まれやすい味わいです。
蓋を少しずらして茶葉をおさえながらいただきましょう
様々な種類のある中国緑茶は、ガラスや磁器の器で、色や形を愛でながらいただきたいお茶。蓋碗で飲むときには、蓋で茶葉を向こう側に寄せ、蓋を少しずらして茶葉が口に入らないようにおさえながらいただきます。蓋の裏で香りを楽しむこともできるので便利です。蓋碗の中のお茶は、半分以下になったらお湯を注ぎ足しながらたっぷりといただくことができます。
お湯の温度によって、がらりと違った味わいになるお茶も多いので、ご自身のお好みの味を見つけるのも楽しみのひとつです。